副作用モニター情報〈234〉 ケフレックスとSG顆粒 (ピラゾロン系解熱鎮痛消炎剤) の服用で、肝障害
ケフレックスとSG顆粒(ピラゾロン系解熱鎮痛消炎剤)を服用し、グレード3の肝障害を起こした症例の報告がありました。既知の副作用ですが、汎用される薬剤で起きた重い症例なので、あらためて注意を喚起します。
(症例)50代女性。12年前、原因不明の肝疾患で治療歴あり。抗体検査HB(-)・HC(-)。歯科より、歯肉炎治療にケフレックス、SG顆粒、胃薬(量不明)が処方された。服用翌日、39℃の熱発。2日目に服用を止め、救急外来を受診。3日後、関節痛、心窩部痛、下痢出現。この時点で、GOT:175、GPT:330。6日後が最高値でGOT:391、 GPT:964。倦怠感が強いため8日目に入院。1カ月後、GOT:60、GPT:132まで回復し退院。服用3週間後の肝生検で、慢性または陳旧性の肝 疾患を背景に発症した急性肝炎と診断。肝障害発現時に治療中の疾患はなく、他の薬剤、アルコール、たばこは飲んでいなかったため、薬剤による急性肝炎と判 断。DLSTでケフレックスは陰性だったが、2剤とも被疑薬の可能性あり。
今回は、患者が異常に気づき自ら服用を中止したので、軽度の副作用ですんだと考えられますが、3週間の入院を含め、回復まで1カ月という大きな負担がかかりました。今回の事例では、肝障害に対する治療開始の迅速さが求められました。副作用発生時の対策について考えさせられた事例でした。
(民医連新聞 第1367号 2005年11月7日)
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