副作用モニター情報〈213〉 H.ピロリ菌除菌の3剤併用療法時の副作用
H.ピロリ菌がいると胃潰瘍や十二指腸潰瘍になりやすく、その潰瘍は治りにくいとされていました。しかし最近、除菌による治療がすすみ、再発しにくくなったため、除菌療法が盛んです。2例の副作用が報告されました。
(症例1)タケプロン・アモリン・クラリシットによる舌苔・口角炎
65歳女性、服用後1日でのどの違和感あり。その後舌が真っ白になった。服用終了後に口唇周囲が切れる。
(症例2)タケプロン・アモリン・クラリシットによる全身発疹・発赤
51歳女性、服用3日目で全身に発疹・発赤出現、むくみや咳き込みもあり。服用4日で中止。中止後1カ月後手腕の赤み(+)、足の皮がむける
3剤併用のため、副作用が発現した場合、原因になった薬剤の特定は困難です。この薬物療法では、副作用の症状によって、服用中止が必要な場合とそうでない場合があります。適切な処置と投与中止が必要な症状は、添付文書に重大な副作用として記載されています。主なものは、ショック・アナフィラキシー・血液 障害・Lyell症候群・SJ症候群・PIE症候群・間質性肺炎・偽膜性大腸炎、出血性大腸炎など。
これ以外の軽微な副作用の場合は、抗生剤を服用しているので耐性菌を作らせないためにも、決められた服用期間(1週間)はきちんと服用する必要があります。
薬局窓口で患者さんから訴えを聞いた場合、適切なフォローアップをしなければなりません。添付文書の記載をもう一度確認しましょう。
(民医連新聞 第1345号 2004年12月6日)
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