副作用モニター情報〈209〉 オセルタミビル(タミフル(R))の副作用
昨シーズンのインフルエンザ流行期に、オセルタミビル(以下タミフル)が関与した可能性がある副作用報告がありました。
35度以下の低体温を認めた症例が3例。また悪夢・寝汗が1例報告されました。どの症例も成人ですが、小児や高齢者では特に注意が必要です。症例は、比較的早く症状に気づき、いずれも服用中止で回復しています。
小児での症例を紹介します。
(症例)5歳女児、体温39.7度、喉の腫れ・頭痛・咳、臨床症状よりインフルエンザを疑い、タミフルDS・カロナール服用開始。服用初日から嘔吐があ り、2日後からは腹痛・下痢症状も出現。服用3日後には、口の周りに湿疹が現れ、口内炎も認められたが服用継続。服用終了後6日で回復。
消化器症状についてはインフルエンザ症状の悪化とも考えられますが、発疹・口内炎は継続服用中に悪化傾向が見られたとのことです。タミフルが、インフル エンザ治療の必須薬剤でないことを考えれば、副作用症状に気づいた時点で服用中止すべきでしょう。
このほか、不整脈類似の胸部不快感1例(成人)、発疹1例(小児)ありました。
厚生労働省の「医薬品等安全情報№202」でも同剤の副作用報告があり、肺炎と精神神経症状の副作用が、重大な副作用として追記されています。メーカー への副作用報告数は100例以上になっているとのことです。7月には予防投与の適応が通りました。処方・服薬指導ではいっそうの配慮を心がけましょう。
(民医連新聞 第1341号 2004年10月4日)
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