副作用モニター情報〈204〉 漢方薬による偽アルドステロン症に注意を
芍薬甘草湯は、漢方エキス製剤の中で甘草6g(グリチルリチン240㎎)が含まれ、偽アルドステロン症に注意すべき製剤としてあげられます。今回、グレード3の低カリウム血症を伴った偽アルドステロンの事例が複数報告されましたので、改めて注意を喚起します。
芍薬甘草湯は、内臓や骨格筋の痛みに汎用され、非ステロイド系鎮痛消炎剤が使用しにくい症例にも重宝されています。ただし、甘草は、浮腫ぎみの人や尿の出 の悪い人、咳がでやすく口の渇きやすい人には使用しません。このことは、体液貯留による高血圧やミオパシーを生じやすい高齢者・女性においては、長期投薬 に十分な注意が必要だということです。
前駆症状としてあらわれるのは、倦怠感・筋肉痛や筋力低下・むくみなどです。定期的なチェックがもとめられます。
こうした漢方薬では、利尿剤との併用や甘草を含む製剤(仁丹・加工食品など)の摂取増加・甘草を含む漢方薬の併用など様ざまな要因で発症にいたることが考えられます。
甘草を含むエキス製剤では、小青竜湯(甘草5g)、乙字湯や柴胡剤(甘草2g)などがあげられます。(「全日本民医連・副作用モニター情報173」参照)
(民医連新聞 第1336号 2004年7月19日)
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