副作用モニター情報〈161〉 くり返される塩酸チクロピジン製剤による肝障害(99年下期のまとめより)
今期の報告よりの抜粋
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99年度下期、肝機能系の副作用から塩酸チクロピジンによる肝障害が11件報告されました。厚生省医薬品等安全性情報でも再三とりあげられた副作用であり、最近でも№156で血栓性血小板減少性紫斑病および重篤な肝障害が起こる旨の報告があったばかりです。
下記の11例の報告を分析したところ、早いもので9日、遅いものでも70日で症状が現れており、11件中10件が開始後2カ月以内の発症でした。厚生省 情報でも「投与開始後2カ月間は十分に注意し、2週に1回の血液、肝機能検査を行う」ことを掲げ、添付文書に明記されました。
今回の報告ではいずれも服用中止により回復していますが、重症化することも多いため、「2週間に1回の検査」および、初期症状の発熱、発疹、食欲不振に ついて患者指導を徹底することにより重篤化を未然に防ぐことが大切です。
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