副作用モニター情報〈160〉 97年4月以降の新薬による副作用の報告は17薬剤、74症例でした。(表参照)
〈フルタイド〉
声がれ、腹痛 口腔に関わる症状が大半です。60歳以上での報告が17 人と高齢者が目立ちました。全体では1日の投与量が200μgの症例が16件でしたが、4症例が800μgでそのうち3症例が嗄声の訴えでした。嗄声は全 体で八例あり、嗄声と投与量との関連が考えられます。予防法は、充分な口腔内のケア、確実なうがい、特に咽喉の奥まで行うことです(ただし、うがいをして いても症状発現例はあります)。吸入により腹痛の報告が二例あがっています。1例は1カ月使用後に腹痛出現し、中止後改善しましたが、2週間後に再使用し て再び症状が出現しています。
〈デプロメール・ルボックス〉
服用時には要注意、脱毛 デプロメール服用時に咽喉に貼り付き、その部位の火傷感が1週間ほど続いた例が報告されています。フィルムコートの製剤ですが、成分が刺激感を有しています。嚥下が困難になっている場合や、口中で噛み砕くことには注意が必要です。
脱毛の発現例では1日量75mgをほぼ7カ月間服用していましたが、中止により脱毛は回復しています。臨床試験でも1例の報告がありますが、情報を集中し因果関係を明らかにしていくことが大切です。
新薬に関しては特に市販後の薬剤評価が重要な役割を担っています。積極的に、企業および厚生省に報告をあげましょう。
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