副作用モニター情報〈159〉 マレイン酸フルボキサミンとシサプリドの併用によるパーキンソン様症状の悪化とQT延長
マレイン酸フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)とシサプリド(商品名:アセナリン、リサモール)の併用によるパーキンソン症状の悪化と QT延長が報告されました。マレイン酸フルボキサミンは、99年5月に発売された抗うつ剤(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)で、薬物代謝酵 素CYP3A4で代謝される薬剤(シサプリド、テルフェナジン、アステミゾール等)の血中濃度を上昇させてしまうため、併用薬に気をつけなければならない 薬のひとつです。
【症例】68歳女性
マレイン酸フルボキサミンを継続服用中にシサプリドを追加処方され、服用二日ほどで、もともとあったパーキンソン様症状が著明となり、QT延長も見られたため、シサプリドを中止し、症状は軽快しました。
この症例は入院中であったため、早い時点での対応ができましたが、外来では複数の医療機関で薬剤を交付されている場合も多く、薬局での併用薬剤の聞き取 りもますます重要となります。また、マレイン酸フルボキサミンとシサプリドは原則併用禁忌であるため、できる限り避け、やむを得ず併用する場合はシサプリ ドを減量投与し、患者には振戦、筋硬直、小きざみ歩行などのパーキンソン様症状や不整脈などに注意することを説明しておくことが大切です。
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