副作用モニター情報〈158〉 メシル酸ガベキサートによる重篤な静脈炎、皮膚潰瘍について
メシル酸ガベキサートによる重篤な皮膚潰瘍の症例が2例報告されました。本剤は急性膵炎やDIC(汎発性血管内血液凝固症候群)の治療に繁用される、タ ンパク分解酵素阻害薬ですが、高濃度で細胞毒性が起こることが知られています。末梢投与の場合、0.2%以下の濃度で投与するよう使用上の注意に記載され ています。
今回報告された三症例の使用濃度は0.06六%、0.24%でした。投与終了後(11日目、12日目)に発赤、痛み、腫れなどの症状に気づき、薬剤処置 などを行っています。いずれも回復までに約1カ月を要しました。
できる限り末梢からの投与を避け、やむを得ず、末梢投与する場合は投与濃度(0.2%以下)と投与速度(2.0mg/kg/時以下)を厳守することが必 要です。投与中症状がなくても、後に発現し重篤化するケースもあるため、注意を要します。IVHルートが確保されていれば、ダブルルーメンなどを使用(配 合変化を避けるため)するのがより安全です。
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