副作用モニター情報〈143〉 サイトテックによる下痢
サイトテック(ミソプロストール:プロスタグランディンE製剤)は、非ステロイド性消炎鎮痛剤による潰瘍に対する治療薬ですが、副作用としての下痢が高 率に起こります(承認時までの調査では、非ステロイド剤併用で15%)。98年度下期には、モニターに七例の報告がありました。下痢が起こる機序は、プロ スタグランディンにより腸管腔へ多量の腸液が貯留するという「エンテロプーリング」が引き起こされるためと言われています。
エンテロプーリングは、プロスタグランディンの血中濃度が上がると起きやすくなるため、下痢の予防としては、急激に血中濃度を上げないことが必要です。 食直後の服用や、減量して投与するなどが有効です。また、下痢を起こしやすい薬剤(マグネシウムを含有する製酸剤など)との併用を避けることも大切です。
作用として下痢が起こりやすい薬剤であることを患者へ伝えるとともに、下痢が起きたときは、減量や休薬、吐瀉剤の投与などで対処します。
- 記事関連ワード
- 副作用副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)