副作用モニター情報〈139〉 G―CSFの適応拡大と今後の課題
G―CSF製剤は98年11月の改訂で適応症が拡大(どのがんにでも化学療法による好中球減少症に対して保険適応)されました。東京DI委員会では、各院所からの使用症例を10数例収集し、G―CSFの使用方法について検討しました。
各院所での使用状況は、化学療法のクールを増すごとに投与期間を早めたり、投与量を増やしたり、静脈注射と皮下注射を使い分けたりとさまざまでした。理 由として、症例ごとに骨髄抑制の出かた(強さ)やG―CSFの反応性などが大きく異なり、投与開始時期や終了時期、または投与量などは経験的な面に頼る部 分が大きいことがあげられます。また、血液検査での容態の確認が不十分で対応の遅れにつながったと考えられる症例も見受けられ、新たな問題も浮き彫りとな りました。副作用としては既知の骨痛が数例に認められました。
今回のまとめでは見られませんでしたが、G―CSF製剤による重篤な副作用として厚生省副作用安全性情報No.147で急性呼吸窮迫症候群が追加されま した。適応拡大による使用頻度の増加にともない、まだまだ未知の副作用が発見される可能性もあり、いっそうの注意が必要と考えます。
高額な薬剤でもあり、あらためて無駄なく効果的に使用していくために、使用後調査などにより使用法を確立していく必要があります。
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