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民医連新聞

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診察室から 地球人・ヒトとして歩む未来は

 昨年、原水爆禁止世界大会に、当院では2人の職員を送り出しました。壮行会、報告会も開きました。その時の私のあいさつを文章化してみました。
 壮行会では、宇宙人の話をしました(人型とは限らないので、正しくは地球外知的生命体)。宇宙人がインデペンデンス・デイやガミラス星人のように、明らかで、大規模な攻撃を仕かけてきた歴史上の記録はないようです(世界史の教科書には記載なし)。惑星間航行が可能な、地球人よりはるかに高度な科学技術を持つ生命体が、この美しく豊かな地球を侵略しないのはなぜでしょう。
 理由の一つとして私は次のように考えています。その生命体には、そもそも戦争、侵略のような文化が存在しない、あるいは克服、超越しているから。
 科学の進歩により、いずれは「E=mc2」、「質量とエネルギーの等価性」、「核分裂、核融合により莫大なエネルギーを得られる事実」に到達し、さらに実用化するでしょう。その段階で、そのエネルギーを破壊のために用いる文化を持つ種は、いずれ「風の谷のナウシカ、火の七日間戦争」のような自滅の道を歩みます。
 今、地球上はまさに分岐点です。予兆のような悲惨な体験を持つ地球人は、今こそしっかりと勉強、行動し、理性の力で乗り越えねばならないのです。
 報告会では霊長類について話しました。進化論を前提としています。霊長類は進化の過程で、ゴリラ、ボノボ、チンパンジー、そしてヒトに枝分かれしたとされています。このなかでゴリラとボノボは、いかにして争わないか、相手を傷つけないか、という種であることが研究で明らかになっています。一方でチンパンジーは好戦的で、相手を打ち負かして自分の地位を獲得するそうです。
 ヒトはどうでしょう。歴史を見れば明らかです。私たちヒトにはこの「争いの血」が流れていることを、強く自覚するべきなのです。この自覚こそが、次にすすむ第一歩だと思っています。(鈴木光典、山形・至誠堂総合病院)

(民医連新聞 第1823号 2025年2月17日号)

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