10・27私たちの選択 いのち最優先の政治に
国民のいのちと暮らしをないがしろにしてきた自民党政治。なぜ社会保障が悪くなり、暮らしがよくならないのか。10月27日投開票の総選挙を前に、日本の現状をふり返ってみました。社会を変える力は一人ひとりの主権者です。(編集部)
消費税は何に使われた?
消費税導入(1989年)から今年4月で35年。税率は当初の3%から、5↓8↓10%と引き上げられました。国の一般会計では消費税が所得税、法人税を超えて最多の税収項目に。「社会保障のため」とされる消費税ですが、35年間の累計で539兆円にのぼる消費税収は、法人3税の減収分318兆円と所得税・住民税の減収分295兆円(合計613兆円)で消えてなくなりました(図1)。社会保障がよくなるはずがありません。
高等教育無償化に逆行
高等教育の高学費も社会問題に。日本政府が国際人権条約13条2項Cを批准し、高等教育無償化を世界に公約して12年たちますが、日本の高等教育への公的財政支出(国内総生産〔GDP〕比)は、OECD(経済協力開発機構)平均の半分以下、先進国最低クラス(図2)。この50年間に学費は国立大学で50倍、私立大学で10倍に。2000年代以降、利子つきの奨学金が急増し、奨学金の貸与総額は15年間で2倍の10兆円に膨れ上がりました。
賃金が伸びない国に
労働者の賃金を見ても、日本は先進国でほぼ唯一の賃金が伸びない国に(図3)。一方で、大企業(資本金10億円以上)の内部留保は、333兆5000億円(2012年度)から、539兆3000億円(2023年度)と、この10年余りで200兆円以上も増えています。膨れ上がった内部留保を賃上げにつなげることが必要です。
軍事費は急増
社会保障や教育予算は抑制される一方で、防衛予算は急増しています。2022年度に5兆4000億円だった防衛費(軍事費)は、23年度から急速に増大。24年度には7兆9500億円、来年度は8兆5389億円に拡大する予定です(図4)。憲法違反の軍備にお金を使うのか、社会保障、教育、防災など、国民のいのちや暮らしに使わせるのかが問われます。
(民医連新聞 第1816号 2024年10月21日号)