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民医連新聞

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ケアの視点で平和で公正な社会実現を 第46期第1回評議員会の発言から

 8月24日に開催した第46期第1回評議員会では、34の発言と12の文書発言がありました。特徴的な発言を紹介します。

能登半島地震で奮闘した職員
被災者の要望整理し要求へ

 石川・藤牧圭介評議員は、8月10日に開催した、能登半島地震の支援活動をふり返る「石川民医連能登半島地震交流集会」を報告。輪島診療所、羽咋(はくい)診療所や、金沢市、小松市の能登以外の事業所からの報告も共有しました。輪島診療所のヘルパーが訪問サービスの最中に地震に遭い、寝たきりの利用者を抱え、必死に避難した壮絶な経験を語りました。自ら被災者でありながら、目の前の利用者のために奮闘する職員の姿に参加者の胸も熱くなりました。「9月以降、あらためて患者や友の会会員への訪問行動を企画し、今後、住まいの確保が一定のめどを迎えた段階でどのような支援が望まれているのか、県や自治体に求めていくものを整理して要望などを行っていく」と発言しました。

桐生市の違法生活保護行政
抜本的な改善を要求

 群馬・瀧口俊生評議員は、桐生市の違法な生活保護行政について発言しました。昨年8月、社会福祉士から反貧困ネットワークぐんまに相談が寄せられたことで発覚。「桐生市で生活保護申請に同席させてもらえない。支援者も保護係職員からどう喝を受けている。1日1000円、窓口で保護費を手渡している。ハローワークに行ったときのみ支援するやり方だ」と。生活保護費を1日1000円と定め、かつ全額支給しない違法問題も発覚。桐生市の生活保護利用者数は10年で半減しました。これに対して「桐生市生活保護違法事件全国調査団」を結成し、4月には国賠訴訟を提訴、市民集会も開催。桐生市の全国調査団を含む4団体が厚労省に「抜本的改善を求める要望書」を提出したことも報告しました。

原水禁大会に研修医5人
反核・非戦の運動連鎖を

 京都・中川洋寿評議員は、1年目研修医と医師、歯科医師の5人が今年の原水禁世界大会に参加した経験を報告。研修医会議で、昨年参加した2年目の研修医が、「自分はあらゆる戦争の惨禍の当事者と考え、戦争に反対できる人でありたい」と、「1年目の研修医に多く参加してほしい」と呼びかけ、医科4・歯科1、計5人の1年目の研修医全員が参加。「被爆国の国民として、世界市民の一員として平和を訴え、核兵器の廃絶の声をあげ続けていかなければいけないということを強く感じた」との感想がありました。来年は被爆と戦後80年。私たちは「反核・非戦運動の連鎖反応」を起こし、運動をひろげていかなければいけない、と発言しました。

新型コロナ5類移行
公的補助賛同を呼びかけ

 新潟・坂下弘評議員は、新型コロナウイルス感染症の拡大で、県内の介護事業所の要望をまとめて緊急要請行動を実施したことを報告。新潟民医連の事業所でクラスターが発生し、新潟市に対して直接抗原検査キットとN95マスクの支給を要請したものの、前向きな返答は得られませんでした。同県連は県社保協と共同で、県内1435の介護事業所へ、県と市に対する「衛生資材の配布や自己負担の補助を求める要請書」を提出することに賛同を要請。郵送して2週間経過した時点で、送付総数の約1割の130の事業所から賛同の返信がありました。一言欄には、公費補助がないなかで感染対策を迫られている切実な声が多数。「寄せられた多くの声を届け、早急な対応を求めていきたい」とのべました。

弱点克服で経営再建
絶対につぶさせない

 北海道・佐藤秀明評議員は北海道勤医協の経営状況と全国からの調査、経営検討を受けてのふり返りととりくみについて報告。全日本民医連による現地調査、大規模な経営検討会で、同法人の経営が危機的な状況にある評価、法人組織の抱える弱点について多くの指摘がありました。経営危機に陥った理由について、法人理事会としても総括し、問題の克服に向けてとりくみをすすめています。6月の法人総会では、共同組織から「勤医協を絶対につぶさせない」という発言が相次ぎました。法人理事会としてはこれまでの経営管理、組織運営の不十分さを反省し、弱点の改善をはかり、全職員参加の強い組織をつくり上げ、「何としてもこの危機を打開し、経営再建をすすめたい」と決意をのべました。

(民医連新聞 第1813号 2024年9月16日号)