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民医連新聞

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診察室から 勉強会が楽しくて仕方がない

 研究者の父の背中を追いかけて医学部に入学したものの、自ら呼びかけた洋書の読書会を真っ先に脱落した教養1年。あれから45年の今、他職種や他世代との勉強会が楽しくて仕方がないのです。
 一つは10年続いている「長くおいしく安全に十分な栄養を摂れる地域を目指す会」(通称・なおいあん)。言語聴覚士と栄養士から別々に摂食嚥(えん)下(げ)障害者への食事提供上の悩みを聴き、職種・事業所・法人の枠を越えていっしょに学び考え合うことを目的に始められた勉強会は、先日の「暑い時期の嚥下調整食調理実習」で46回目を数えました。歴代の世話人は言語聴覚士・栄養士に加え、認定看護師・歯科医師・調理師。参加者はさらに薬剤師や介護職が加わり、多数の出会いと発見を経験しました。
 二つ目は、介護の明日を考える会(通称・かいあす)。介護職にこそ安心して学べる場を増やさなければと、コロナ禍の2022年から、何人かでWEB勉強会を立ち上げました。決めた本を輪読しては感想・意見をくり返し、1時間読んだらあとは交流。もうすぐ7冊目の教材を読み終えます。最近では、読み終えた教材を「かいあす文庫」として各職場へ設置するとりくみをすすめています。学習と交流の記録はブログにしているので、直接ミーティングに参加できなくても、同じ本を読んで感想を交流できるというわけです。
 最近始まったのがMOYA(Multidisciplinary Observation may Yield an Answer)研という事例検討会。かつて勉強会をしたり、いっしょに本をつくったりした当時の医学生から、医者になったけどまた勉強会がしたい、と連絡が。臨床での「もやっと」を、生活背景、社会背景と結びつけていっしょに考えるような企画にしたいと、医学生や研修医・総診専攻医なども加わって、先日2回目を開催。三回りほど違う医師たちとの交流、実に楽しかったです。
 学ぶ楽しさを、感じひろげ続けたい、還暦もだいぶ過ぎて、強く思います。(小林充、京都民医連洛北診療所)

(民医連新聞 第1813号 2024年9月16日号)