介護報酬引き下げ撤回を 財務省・厚労省と懇談 全日本民医連
8月9日、全日本民医連介護・福祉部は、政府の2025年度予算編成に向けて、財務相・厚労省各担当者と懇談を行い、要請書を提出しました。訪問介護基本報酬の引き下げの撤回と引き下げ分を補てんするための今年度中の予算措置の実施、来年度予算編成において介護報酬の臨時改定、介護職員給与の全産業平均水準への引き上げのための予算計上、有料職業紹介事業者に対する社会的規制強化を求めるとともに、介護事業所・医療機関・利用者などから寄せられた970件の意見・要望をあわせて提出しました。
全日本民医連事務局次長の林泰則さんは、介護報酬全体では1・59%のプラス改定となったが、全産業平均比で月7万円近い給与差を抜本的に解消するには程遠く、物価高騰をカバーできないこと、訪問介護基本報酬引き下げによって経営難、人手不足が加速していることなどの実態を報告。また介護報酬臨時改定の実施と訪問介護引き下げ分を補てんするための予算措置を強く訴えました。
財務省の担当者は「今の介護報酬改定の影響調査で、実態把握をして今後どうしていくべきか、9月以降予算編成のなかで議論していく」と回答しました。
また厚労省の担当者は「加算取得に向けたとりくみの強化をはかっていく」と回答。有料職業紹介事業については厚労省担当者が「必要な省令改正をすすめていく」とのべました。
訪問介護の現場で働く介護職員やケアマネジャーからは「事業所に収益が入らないと事業所が潰れてしまう」「有料職業紹介事業者から紹介された職員は1年たたずに退職する」「仕事に見合った給与を」などの発言がありました。
(全日本民医連介護・福祉部 栗原一樹)
(民医連新聞 第1813号 2024年9月2日号)