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民医連新聞

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人権とケアを大切にする都政に 新しい都知事誕生は国政変える大きな力 7月7日東京都知事選

 7月7日、東京都知事選が行われます。東京民医連理事会は、医療・介護の現場、地域から都民の要求を掲げて「反自民・非小池」の立場で、人権とケアを大切にする都政を実現するために、無所属で立候補した前参議院議員の蓮舫さんの推薦・支援を決めました。

 東京都の財政は総額16・1兆円で、スウェーデンの国家予算に匹敵します。今回の東京都知事選では、その財政力を地方自治本来の役割である「住民の福祉の増進」に生かす都政に転換するか、医療福祉を切りすて、「国際ビジネスの拠点」として都内の再開発をすすめる小池都政を継続するのかが問われます。

公約七つのゼロは達成ゼロ

 2016年、東京都政を「ブラックボックス」と批判し、「都民ファースト」の都政を実現することを公約に小池百合子現知事が当選しました。しかし、8年を経過した現在、待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、満員電車ゼロなどの「七つのゼロ」は達成ゼロの状態です。
 新型コロナのデルタ株が猛威を振るうなか、都民や医療機関が反対するオリンピックを強行しました。「築地市場を守る」とした公約を投げすて、築地の再開発を計画。NPO法人もやいが毎週土曜日に都庁舎前で行っている食料配布には毎回700人以上もの人たちが列をなしていますが、同じ場所で都庁舎を光で彩るプロジェクションマッピングを、2年間で48億円もかけて実施しています。明治神宮外苑の1000本の樹木を伐採し、高層ビルを建てる再開発計画もすすめています。
 新型コロナ感染症対策で保健所は重要な役割を担いました。しかし都内の保健所数は71カ所(1992年)から31カ所(2019年)まで減少。墨田区保健所は27万人の管轄に対し、多摩府中保健所は105万人と大きな差が出ています。また2022年7月に、都立・公社病院の地方独立行政法人化を強行しました。今年3月現在、医師・看護師などの退職で、19病棟629床が休床に追い込まれ、再開の見通しもありません。

医療・介護の立て直しを

 東京民医連理事会は5月25日、「東京都知事選挙における東京民医連の要求~人権とケアが大切にされる社会をめざして~」を確認しました。
 地方独立行政法人化された都立・公社病院を直営に戻すこと、無料低額診療事業実施の医療機関の拡大と院外処方の薬代の補助、高すぎる国保料、介護保険料の引き下げ、都立看護専門学校の授業料の無償化、三多摩地域での学校給食の全額補助、ケア労働者の処遇改善、米軍横田基地配備のオスプレイの撤去、PFAS汚染の原因究明と浄化などの都政要求を掲げました。

全国支援の呼びかけ

 東京都杉並区をはじめ、人権・ジェンダー平等、地域主権を大切にする政治を望む大きな流れがはじまっています。新しい都知事のもと、東京都政に変化をつくれば、国政を変える大きな力になります。
 全日本民医連理事会は東京民医連からの支援要請を受け、新しい東京を実現するために全国に支援を呼びかけます(第ア―148号参照)。

(民医連新聞 第1809号 2024年7月1日号)