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民医連新聞

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こんなにヤバイ!! 日本の食料事情 (9)即席麺に有害物質

 日本ではコロナ禍以降、パンや麺などの小麦食品の消費が増えています。日本即席食品工業協会の統計データによると、日本で製造されている即席麺の総生産量は、年間57億5006万食(2023年)。そのうちカップ麺37億7437万食(66%)、袋麺18億2475万食(32%)となっています。1年間で一人あたり47・2食、8日に1回は即席麺を食べていることになります。
 日本の小麦の自給率は16%(22年)で、多くを輸入に頼っています。その輸入小麦(特にアメリカ、カナダ産)からは、農水省の調査でも高確率でグリホサート(除草剤「ラウンドアップ」の主成分)の残留が見つかります。グリホサートは、発がん性や胎児・子どもの発達への影響などが指摘され、世界的に規制が強まっている物質です。農民連の検査機関、農民連食品分析センターは21年、カップ麺や乾麺などの残留農薬検査を行いました。その結果、16製品中10製品からグリホサートの残留が検出されました(表)。検出されたものは主に輸入小麦が原料で、国産小麦が原料の製品からは検出がありませんでした。
 今回の調査で検出された最大値0・05ppmでの残留があると仮定すると、1年間に即席麺から摂取するグリホサートの総量は、約2・36mgと見積もることができます。グリホサートの1日摂取許容量(ADI)は、体重50kgの人の場合1日あたり50mgとなり、今回の検出量はそれと比較しても非常に小さいと言えます。しかし、実際に販売・散布される「ラウンドアップ」の形態になると、毒性が約100倍も高くなるという結果が、複数の研究で報告されています。
 アメリカやカナダなどでは、小麦や大豆に対して、収穫前にグリホサートを散布することが多くなっています(プレハーベスト)。その理由として、(1)雑草を枯らすことで収穫時の混入を防ぎ、品質を向上させることができる、(2)植物体を枯らすことで、収穫適期を人工的につくり出し、コンバインでの刈り取りを容易にすることができる――ことなどがあげられます。
 日本で小麦の自給率を上げることが、食の安全のためにも、食料の不足時のためにも必要なことを、今回の分析結果は物語っています。

(民医連新聞 第1809号 2024年7月1日号)