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民医連新聞

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笑顔はじけるこども班会「コペルくん」 医療福祉生協おおおさか

 医療福祉生協おおさかは5月25日、コープおおさか病院で第67回こども班会「コペルくん」を開きました。今年で6年を迎えたとりくみの様子を紹介します。(丸山いぶき記者)

 この日は、大人気のサイエンスカフェ。外部講師による、身近なものを使ってできる楽しい科学実験です。未就学児から小学生までの子ども12人と、保護者、学童保育の指導員など8人が参加。職員、ボランティア組合員など5人が運営にあたりました。
 お題のひとつ「空気の流れと力のはたらき」は、大人も首をかしげる「揚力」がテーマです。講師の解説に耳を傾け、飛行機の翼の模型と送風機を使って、翼が風を受けて浮かび上がる力の働きを目撃した後、いざ実験。おり紙をコの字型に折り、机に伏せてすき間にストローで息を吹きかけると、どうなる? 「うまくいくかな?」「わかるかな?」という大人の心配をよそに、実験を成功させた小学2年生男児は「空気が早く流れると気圧が下がってへっこむ!」。大人から感嘆の声がもれます。輪ゴムとトレーでつくる楽器、おり紙鉄砲、荷造りひもを使った簡単マジックも学びました。

子どもたちに感動体験を

 こども班会「コペルくん」は、2018年3月から毎月最終土曜日に開催しています。名前の由来は、当時、漫画で人気が再燃していた『君たちはどう生きるか』(原作・吉野源三郎、漫画・羽賀翔一、マガジンハウス)の主人公。組合員活動部副部長の梶真実さんは、「子どもたちに、いろいろな気づきを得る体験を提供する、居場所づくりをしようと始めた」とふり返ります。
 運営資金は、年間計画を立てて申請する大阪市の助成金のほか、年2回のバザー、個人カンパなどで賄っています。SNSや病院前の掲示板での告知を見て、地域や職員の子どもたちが参加。常連が多いのが特徴です。事務局の西峯圭子さんは、大企業が提供するイベントと比べ、「こっちはお金がないから、輪ゴムやら何やら、身近ものを使ってできる“感動体験”で、子どもたちに好きなことをみつけてもらいたい」と笑います。

みんなで楽しむ

 年3回のサイエンスカフェやダンス、医学生と「からだの不思議探検」、調理師による栄養の話、製菓の専門学校生とつくるお菓子など、内容も充実。「ウクライナを忘れない」と、ウクライナ人親子を招く企画も行いました。
 年2回のコンサートも盛り上がります。ボランティア学生や吹奏楽部に入った中学生、音楽好きの保護者や職員が参加し、曲を決めたらそれぞれ練習して、ぶっつけ本番。学童保育の子どもたちの「けん玉」とも共演しました。
 「失敗しても構わない。大人もみんな楽しんでいる。保護者の声から、あるようでない、親子でゆっくり向き合う時間になっていると感じる」と梶さん。
 コロナ禍で開催中止もありましたが、「つながりが希薄になっているからこそ」と、家でできる工作グッズを配るなど、工夫して継続。20~23年度も、子ども667人、大人356人が参加しました。悩みは、職員のかかわりをどう増やすか。それでも、クリスマスにケーキ50個を差し入れてくれた医師もいました。

* * *

 継続する力の源は「子どもの笑顔」「エネルギー吸ってます」と笑うボランティアのみなさん。
 最近、こんなうれしいこともありました。小学生の時に「コペルくん」に通い、中学生になっても時折、弟に付き添い顔を見せていた子が、工業高等専門学校に合格したと報告に来てくれました。
 7月のサイエンスカフェでは少しお金もかけて、ソーラーカーづくりに挑戦します。

(民医連新聞 第1809号 2024年7月1日号)