被ばくの実相から核禁条約実現へ ビキニデーin高知2024
5月11~12日、高知市内で「ビキニデーin高知2024」が開かれました(主催:同実行委員会)。核兵器禁止条約発効を力に、条約を批准する政府の実現と、ビキニ核被災者支援を目的に始まった同集会は、ビキニ被災から70年の今年、4回目を迎えました。現地参加の2つのオプションツアーと3つの分科会のほか、全体会・シンポジウムはWEB配信もされ、WEB29人を含む計197人が参加しました。
全体会では、1957年製作の映画「荒海に生きる マグロ漁民の生態」を視聴。続いて、米国がくり返し核実験を行ったビキニ海域で被ばくした、91歳と88歳の元漁船員2人が、過酷な船上生活や思いを語りました。ビキニ被ばく船員訴訟原告団長の下本節子さん(被ばく船員遺族)は今年3月、ビキニ環礁のあるマーシャル諸島を訪問したことを報告しました。
シンポジウムは「被ばくの実相、隠されてきたこと、核禁条約への道」がテーマ。シンポジストは高橋博子さん(奈良大学教授)、齋藤紀さん(福島医療生協、医師)、内藤雅義さん(弁護士)。コーディネーターは聞間元さん(静岡・生協きたはま診療所、医師)がつとめました。
高橋さんは、米国が軍事研究としてフォールアウト(放射性降下物)を重視してきたことを、公開された機密文書から解明。齋藤さんは、ビキニ被災漁船乗組員の医学的資料からわかる、フォールアウト被害の臨床像を解説しました。内藤さんは、ビキニ被ばく船員訴訟と、核禁条約6、7条(核被害者援護など)で問われているのも、放射性物質による内部被ばく問題であることを強調し、訴訟勝利への決意を語りました。
5月14日には、東京地裁で船員保険(医療・遺族給付)の適用を求める訴訟の口頭弁論がありました。損失補償を求め高知地裁に係属している訴訟とあわせ、全日本民医連はひきつづき、2つのビキニ被ばく船員訴訟への支援を呼びかけます。
(民医連新聞 第1807号 2024年6月3日号)
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