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民医連新聞

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46期運動方針を学ぼう 高い倫理観と変革の視点を養う職員育成を

 46期総会運動方針でも強調された高い倫理観と変革の視点を育む職員の確保・育成。「職員育成指針2021年版」(以下「育成指針」)の議論と具体化や総会運動方針学習など、全日本民医連副会長で職員育成部部長の川上和美(看護師)さんに聞きました。(長野典右記者)

 今年2月に沖縄で開催した第46回総会で、各地の代議員から「育成指針」にもとづいた議論、実践の発言があり、深化し、発展していることが実感できました。
 新型コロナウイルス感染症が収束しないなかでの2年間、全国の民医連職員は地域のいのちと健康を守るために奮闘しながら、人権の尊重と共同のいとなみを価値とする組織文化で育ち合う職員育成活動をすすめてきました。「育成指針」の実践は、平和と個人の尊厳が大切にされる2020年代を築く活動です。

育成指針の議論と
具体化がすすんだ45期

 前期45期は、各地で育成指針の議論と具体化がすすみました。まず、多くの県連・法人で育成方針や教育要綱が見直され、「民医連における職員育成の7つの具体的指針」(「育成指針」第2章)を実践しています。2つ目は、育成活動の拠点として「育ちあいの職場づくり」を重視し、職責者を中心とした研修会や交流集会が全国、各地で開催され、多くの経験が生まれています。3つ目はコロナ禍で対面集会が制限されるなか、WEBなどを活用しました。

「ケアの倫理」を深め
「2つの柱」の全面実践を

 第46回総会は「ケアの視点で『非戦・人権・くらし』を高く掲げ、公正な社会の実現をめざす」運動方針を確立。「ケアの倫理」を深め、「2つの柱」の全面実践で「人権の砦(とりで)」たる民医連事業所を守り、運動を発展させるためにも、あらゆる活動の場に「職員育成」を位置づけることや方針に結集してとりくむことが大切です。「総会運動方針学習(月間3~6月)」は、すべての職員の学習を呼びかけています。総会参加代議員が講師になり、討議をすすめている職場もあります。総会運動方針学習用動画「未来へのカルテ2024」も活用し、学習を推進しましょう。

「ケアの倫理」は
職員育成に重要な視点

 職員育成活動は、民医連運動全体にかかる基盤であり、医療・介護の専門職として、民医連運動の担い手として、市民、主権者として職員が学び成長することが、民医連運動の前進につながります。
 気になる患者カンファレンスや現場の気づきを大切に、事例をSDH(健康の社会的決定要因)の視点で捉え、多職種協働でとりくむ日々の実践の積み重ねも重要です。困難を連帯と連携で克服し、社会の不条理や自己責任論を乗り越える力にもつながります。
 「ケアの倫理」は人と人との関係性の倫理として、一人ひとりが人間として尊重され依存し合い、共感と信頼によって相互作用するものです。誰もがケアを必要とする、人間のぜい弱性への気づきなど、職員育成に重要な視点です。常に存在する人権・倫理的問題から、ケアの倫理を深めることや旧優生保護法問題やLGBTQの学習などもすすめていきましょう。

アウトリーチや
災害支援活動から学ぶ

 子ども食堂、なんでも相談会など、アウトリーチ活動が、職員育成の視点でとりくまれています。対話を通して一人ひとりの暮らしの声を聴き、ニーズをつかむことができます。また、能登半島地震での石川民医連の職員の奮闘、全国からの支援活動は「困ったところに民医連あり」の綱領の精神にもとづく実践であるということを体現し、学んでいます。

学び合い
未来の創造を

 全日本民医連は昨年6月に結成70年を迎えました。70年余りの歴史のなかで築いてきた民医連の本質と価値の継承・発展に向けて、新たな歴史をつくっていくのは、みなさん一人ひとりです。自身の県連の歴史をひもとき、高い倫理観と変革の視点を学び、仲間とともに語り合い、学び合い、民医連運動の未来を創造し、とりくんでいきましょう。

(民医連新聞 第1807号 2024年6月3日号)