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民医連新聞

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第46回定期総会 沖縄民医連主催 オプション企画

 2月24日、第46回定期総会終了後の沖縄で、開催地の沖縄民医連が2つのオプション企画を行いました。県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦を経験し、日本復帰51年がたった沖縄では、今も軍用機の騒音や事件・事故、環境汚染など、アメリカ軍が関係する問題が後を絶ちません。沖縄の歴史と現状を知ってもらう機会をつくりたい―。そんな思いで行われた企画の概要を紹介します。

語り切れない史実と現実 “自分事”と知った
平和学習フィールドワーク

 約2時間半の平和学習フィールドワーク(FW)には、51人が参加しました。
 県庁前の県民広場をバスで出発して国道58号線を北上、世界一危険と言われる普天間基地に臨む嘉数高台公園(宜野湾市)で降車。再びバスで那覇空港に向かいながら、車窓から那覇軍港移設予定地(浦添市西海岸)や現在の那覇軍港などを視察しました。
 ガイドは、沖縄民医連の瀬長和男さん(事務)。各所で、戦争遺構に刻まれた沖縄戦の悲劇や、米軍基地に起因する不条理、基地返還後の経済効果、たたかいの現状などを解説しました。
 その上で、「地元でも戦争遺構を残し、住民に伝えてほしい。各地の自衛隊基地が強化されても、住民は守られない。沖縄戦と同じ。43兆円は、能登の復興や医療・福祉、平和外交にまわせ! という声をもっと大きくしていこう」と参加者に訴えました。

《FW参加者の感想》

●バスの窓から見える景色、施設、町、公園、すべての場所に沖縄戦の史実がありました。空襲を語り継ぐ那覇大綱引きが開催される道路、沖縄戦の激戦地だったシュガーローフや嘉数高台、砲弾の痕跡、陣地壕(ごう)、慰霊碑など。
 解説は途切れることなく、それだけ伝えなければならない史実が多いことが伝わってきました。朝鮮半島から連れてこられた軍夫、陣地壕構築に駆り出された住民。嘉数では、米軍が迫っても「日本軍が守ってくれる、ここにいるのが安全だ」と残る人が多く、一家全滅が3割超、2人に1人が亡くなったことも知りました。
 現在も続く困難も目の当たりにしました。普天間基地、那覇軍港移設計画による自然破壊のおそれ、有機フッ素化合物(PFAS)の検出、沖縄県民が今なお抱き続ける怒りと苦悩の数々。
 総会の分散会で記憶に残る発言がありました。「辺野古支援。支援という言葉をやめませんか?」 自分事と捉えて、どんな言葉が適切かと考えると、ソーシャルアクションにつながりました。(兵庫・久下浩美、歯科衛生士)

●嘉数高台公園は、沖縄戦で多くの人が犠牲になった地域で、複数の慰霊碑がありました。高台から普天間基地を見渡し、駐機する戦闘機の多さに驚き、滑走路と住宅地が近接している状況も確認。
 視察時は緋寒(ヒカン)桜が咲き、子どもたちが遊んでいました。戦闘機の騒音ではなく、子どもたちの遊び声が響き続けることを願います。
 今年、沖縄は水不足。少雨だけでなく、PFAS汚染の影響で川からの取水を制限しているからです。国道58号線を走っていると、米軍基地がなければ車線を増やすことができるのではないか、バイパスをつくることができるのではないか、とも思いました。基地が住民の生活に大きな影響をおよぼしている現状を知りました。那覇軍港移設予定地の貴重なサンゴ群生地の埋め立ては、SDGsの目標「海の豊かさを守ろう」にも反します。計画中止を強く願います。(兵庫・佐野愛、薬剤師)

基地を笑いに公正を問う
演劇「お笑い米軍基地」

 演劇「お笑い米軍基地」には、98人が参加しました。演者は、沖縄のお笑い団体FECオフィスのみなさん。
 「基地を笑え」というキャッチフレーズとともに、「テレビやネットでは見られないコント」が始まります。この日は、沖縄県民と観光客に扮した演者の軽快なやり取りで笑いを誘いながら、在日米軍基地の7割を抱える沖縄の現状を訴えたり、与党の政治資金パーティーや国葬など時事ネタも交えた8本のコントが披露されました。
 笑いのなかにも、沖縄の基地負担や基地をめぐる住民の分断など考えさせられる内容で、あっという間の90分。全国の参加者の笑顔とともに、満場の拍手で閉幕しました。

(民医連新聞 第1803号 2024年4月1日号)