3日目 理事会総括報告 岸本啓介事務局長 総会方針を実践し抜き いのちの平等を実現しよう
3日間の討論を受けて、岸本啓介事務局長が理事会を代表し、総会全体の総括報告を行いました。
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みなさんの協力で、8時間を超える討論を無事に終えました。4年ぶりにみんなで会えてよかった。総会をささえた沖縄民医連と代議員の一人ひとりに感謝します。ありがとうございました。
討論では、総会運動方針全体の重要性について、みなさんから意見を出してもらいました。
■10年の教訓を学び深めよう
少し強調したいのは、第1章についてです。本総会では、私たちが綱領と、「医療・介護活動の2つの柱」をコロナ禍でも貫き、一歩一歩ゆっくりと、しかし着実に前を向いてすすんできた実践を交流できたと思います。具体的な方針である第3章の土台は、第1章にある、この10年の私たちの教訓だと思います。ぜひじっくり読み込んでもらって、学びを深め、すすんでいきたいと思います。
第1に、一昨日の仲西常雄さん(元沖縄民医連会長)の講演は、この第1章につながる内容でした。仲西さんは講演の最後に、新自由主義社会がもたらすさまざまな害悪、特に弱肉強食や自己責任論、格差、そして戦争まで準備をする国の問題を指摘。これに対して私たちはどうするか、ということを話しました。人は競争と自己責任では生きていけない。医療と福祉の需要、要求はかならず増大していく。要求に応える活動を自信を持ってやることが、一番の転換の力だと話しました。
第2に、仲西さんは、税金の集め方と使い方を変えれば、いのちの平等が実現できると話しました。「慌てず、ぶれず、あきらめず、市民の良識と仲間を信じてがんばろう」という訴えでした。民医連を大きく励ます言葉であるとともに、第1章の内容にも通じる教訓をつかんで生かしていく。そんな2年間をつくり上げることを確認したいと思います。
第3に、あらゆる活動のパートナーである、共同組織の役割と位置づけをあらためて方針案に明記しました。共同組織はコロナ禍で私たちを激励し、事業所の活動をささえてくれました。「いつもそこにいて、相互にケアする関係が私たちの共同組織ではないか」と思いながら、分散会の発言を聞きました。
共同組織は今年9月、5年ぶりにリアルに集まり、岡山で共同組織活動交流集会を開催します。ぜひ私たちも、全国から駆けつけよう、ということを本総会で確認したいと思います。
私たちが安心して住み続けられるまちづくりを、どうやっていっしょにすすめるか。このことを共有するのが、私たちにとっての共同組織活動交流集会ではないか、と思います。研修医や新入職員も参加してもらい、これが共同組織、これが民医連なんだということを、お互いに実感する集会として成功させたいと思います。
先ほど岩手に次回総会のバトンを渡す、という報告が沖縄民医連からありました。実は、今朝が岩手の総会会場の抽選日になっています。私たちはみんな沖縄県に来ていますので、どうやって申し込もうかと思っていたら、岩手県のコンベンション・ビューローの責任者が「民医連の代わりに」と抽選に並んでくれました。朝9時に抽選をして、全日本民医連が当たりました(拍手)。全日本民医連は、岩手民医連といっしょに総会をつくっていきたいと思います。
■憲法を守り抜く2年間に
総会運動方針を実践し抜きましょう。沖縄総会の成果を持って、岩手総会に向けてすすんでいきたい。沖縄は憲法9条の県であり、岩手は憲法25条の県(※)です。憲法を守り抜く2年間にすることも含め、がんばっていきたい。
以上で総括報告とします。
※同県の旧沢内村は1960年に、65歳以上の医療費無料化を実現(全国初)。そのよりどころとなったのが憲法25条だった。
第46回総会スローガン
〇平和的生存権・人間の尊厳を守る立場で、国連憲章・国際法に反する暴力・戦争を止めるために行動しよう
〇大軍拡を止め、多様性の尊重・ジェンダー平等といのち第一の政治を実現するために、共同組織とともに地域から人権・公正の波を起こそう
〇70年の歴史を力に、「ケアの倫理」を深め、「2つの柱」の全面実践で、「人権の砦」たる民医連事業所を守り、発展させよう
(民医連新聞 第1802号 2024年3月18日号)