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民医連新聞

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診察室から 地元民医連にUターン就職

 私は、昨年4月から奈良民医連の病院で勤務を始め、1年がたとうとしています。地元の大学を卒業後、地元で初期研修・大学病院勤務をし、その後20数年、東京民医連の病院などで勤務の後の、Uターン就職です。いざ地元に住んでみますと、さまざまな環境の変化に、明らかに20数年の時間が過ぎたことを実感しています。
 近いところに両親が住んでいますが、明らかに歩くスピードが遅くなり、家庭面でも着実に時がたっていることを実感しています。
 奈良を離れ、大学病院に勤務していた時代に奈良民医連の病院での当直バイトをし、はじめて設備も十分ではない中小病院で働くことに強い不安を感じながらも、同院の先生たちが親切ていねいに教えてくれたのを覚えています。臨時で訪問診療にも行かせてもらい、高齢者の生活の現実を知ることに。地域で医療を行うことの意味を考えるようになったことが、東京民医連の病院でさらなる研修をするきっかけとなりました。
 その後、消化器内科と緩和ケア(訪問診療も含め)を軸にして働いてきて、奈良に戻ってきてからも緩和ケアを中心に診療にあたっています。どこの民医連の病院も同じ境遇だとは思いますが、医師不足でけっこう忙しく、「地元に戻ってこれからの時間をのんびり過ごす」なんて働き方は、すぐにはかないそうにもありません。しかし、地元に帰ってきて、病院のスタッフや、大学時代や研修医時代の同期、先輩・後輩にいろいろと相談に乗ってもらえて、とてもありがたいです。また、地域は違えども、同じような境遇や理念で働いてきた民医連の病院の医師同士のつながりを感じ、同じような悩みを共有できることで安心して働くことができています。
 私の近況をただ話しただけになりましたが、Uターン就職を通して、あらためて「人と人とのつながり」「顔の見える関係」を実感し、感謝し、そして、より充実した医療を展開できるのではないか…、そんなことを考えながら過ごした、地元奈良での1年でした。(松本篤、奈良・吉田病院)

(民医連新聞 第1799号 2024年2月5日号)

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