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民医連新聞

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仲間で集まり各地をつなぐ 未来につむぐ交流と学び 第40回民医連全国青年ジャンボリー

 昨年11月24~25日、第40回民医連全国青年ジャンボリー(以下、全国JB)を開催し、45都道府県から835人が参加しました。各地に24のサテライト会場をつくって全国をつなぐ、これまでにない形式で若手職員が交流し、学びを深めました。(稲原真一記者)

 民医連全国青年ジャンボリーは、1972年「ひとりぼっちの青年をなくそう」を合い言葉に始まった青年職員の自主的活動です。現在、全国規模では2年に1回開催し、全国から事務局や実行委員を選出し、企画から運営までを青年職員が担って、出会いや成長の場にもなっています。コロナ禍の前回は初の完全WEB形式で開催。第40回は集合開催を模索しましたが、地協や県連単位でサテライト会場をつくり、オンラインでつなぐという形式での開催となりました。

期待と不安 ドキドキの開幕

 サテライト会場では、ジャンボリー活動への参加自体が初めての人も多く、初対面の参加者が緊張した面持ちで開会を待ちます。開会時間を迎えると同時に、テーマソングの「ともに」(WANIMA)をBGMに、実行委員作のオープニングムービーが流れ開幕。
 全日本民医連の増田剛会長が「価値観を共有する民医連の仲間との時間は、何物にも代えがたい。ぜひ大いに交流し、学んでほしい」とメッセージを送りました。全国JB事務局長の土谷祥吾さん(JBネーム‥つっちー)は「仲間とつながれる2日間になるよう準備してきたので、楽しんでほしい」と開会あいさつ。コロナ禍前には現地参加もしていた韓国・グリーン病院の職員からは、開催を祝うメッセージビデオが届けられました。
 開会式では、サテライト会場をWEBでつないで、各会場の雰囲気を交流。集会中は参加者が撮った写真や動画を、リアルタイムに共有できるLivecanvasというシステムを導入し、全国のつながりを感じられるよう工夫しました。

私たちの行動が社会をつくる

 はじめの企画は、恒例の大交流会。自己紹介ゲームを通じてお互いにJBネームを付けることから始まり、ミニゲームや班対抗のクイズ大会も。はじめはぎこちなかった参加者もすぐに打ち解け、身を乗り出して笑顔で交流ができました。
 1日目のメイン企画は「私たちの社会は私たちの手でつくっていこう」、と題したカクワカ広島共同代表の高橋悠太さんの記念講演。高橋さんは、被爆者サーロー節子さんの「祈るだけではなく具体的に行動してください」という言葉から、何ができるか考え、仲間とカクワカ広島を立ち上げました。国会議員に面会して、核兵器禁止条約への賛否を質問する活動などをしていることを紹介。世界の核実験や劣化ウラン弾などの被害も示し、核の被害は日本だけの問題ではなく、環境問題であり、人権の問題だと訴えました。
 また世界ではソーシャルジャスティス(社会正義)という視点で、抑圧されてきた人とそれに連帯する人たちが声をあげていると指摘し、「世界のどこにいても社会の問題からは逃れられない。だから、私たちの社会は私たちがつくるんだ、という思いで行動している」と結びました。
 講演後は班討論を行い、参加者からは「核の問題は人権、環境の問題だと知り、自分も無関係ではないとわかった」「同世代の高橋さんの行動力を知って心動かされた」「自分の事業所の社保や平和の活動にもっと参加したいと思った」などの感想がありました。

多彩な学びと地域の魅力交流

 2日目は朝からテーマ別セッション。8つのテーマ(表)で、各分野の専門家を招いた学習会を行いました。
 平和、差別や偏見、気候危機、SDH(健康の社会的決定要因)など、多彩な内容で学び、リアルタイムに匿名で質問できるLiveQを活用して、各テーマで活発な質疑応答が行われました。班討論では他職種やさまざまな立場からの意見を交わし、学習を深めました。
 続く地協アピールでは、それぞれの地協の代表者が、ご当地お菓子や観光地、地元のJB活動を紹介。WEBで各地をつないでリアルタイムのプレゼンテーションを行い、参加者がもっとも心引かれたアピールを投票で決めました。どの県も魅力的で、「行ってみたい」「食べてみたい」などの声がありましたが、見事一位に輝いたのは山形県でした。

次回はみんないっしょに

 閉会式は各地協のサテライト会場につなぎ、参加者の代表が2日間の感想を発言。「はじめは緊張していたが、対面で交流できて楽しめた」「盛り上がりすぎて疲れたが、他県の人とたくさん交流できて楽しかった」など、全国の雰囲気を共有しました。
 全国JB実行委員長の今野真海さん(JBネーム:アイアン)が、閉会あいさつ。2日間の企画をふり返りながら「離れていても同じ時間を共有していると感じられる、とても良い全国JBだった。今回経験したこと、学んだことから、それぞれが現場で具体的な行動を起こしてくれたらうれしい。また地元に帰ってからいろいろな人と、この経験を共有してほしい。そして次回は全国の青年が一カ所に集まれることを願っている」と締めくくりました。
 最後は、Livecanvasで共有された写真や動画を合わせて実行委員がつくった、参加者全員の名前が流れる感動のエンディングロールで閉幕しました。


青年が元気になれば民医連が元気になる
土谷祥吾さん 全国JB事務局長
(JBネーム:つっちー/熊本民医連・事務)

 コロナ禍でジャンボリー活動自体が行えなかった県連も多く、入職1~2年目の人たちはジャンボリーの楽しさを知らない世代だと思いますが、それはとてももったいないです。今回の楽しかったことや学びになった経験を各地に持ち帰って、地元でひろげてほしい。そして、次は自分たちでやりたいと思う人が出てきてくれたらうれしいです。
 また送り出してくれた現場の職員や法人、県連幹部のみなさんの協力がなければ、全国JBの成功もありませんでした。今回参加した青年職員の成長が、ジャンボリーの意義を伝えてくれると思います。青年職員が元気になれば、民医連はもっともっと元気になると思うので、これからもぜひジャンボリー活動の援助をお願いします。


(表)テーマ別セッション

①今日から始めよう!
 LGBTQフレンドリーな事業所作り
②日常に埋め込まれたマイクロアグレッション
③SDHと健康格差
④守ろう憲法 沖縄の基地と平和
⑤気候変動・気候不安を考えよう
⑥ヤングケアラーと子どもの貧困
⑦無料低額診療から見える日本の課題
⑧「NOハラスメント!心理的安全性の高い職場を目指そう!」

(民医連新聞 第1798号 2024年1月22日号)