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民医連新聞

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副作用モニター情報〈609〉 アザチオプリンとアロプリノールは併用注意

 アザチオプリンは6-メルカプトプリンのプロドラッグで、免疫抑制作用を持つ薬剤です。過度の免疫抑制作用により感染リスクの上昇、悪性リンパ腫、他の悪性腫瘍が発現する可能性があるため、有効で最低限の免疫抑制状態を維持する必要があります。
 アロプリノールはアザチオプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼを阻害する作用を持つため、両者を併用する場合はアザチオプリンを1/3~1/4に減量することとなっています。また、同効薬のフェブキソスタット、トピロキソスタットは併用禁忌です。
 今回は、アザチオプリンとアロプリノールとの併用時に発現した副作用で、目に後遺症を残した症例を報告します。

症例)50代男性
 好酸球性胃腸炎(適応外使用)にてアザチオプリン50mg服用中。尿酸値が高く、アロプリノール300mg/日が追加となった。
 保険薬局から用量について疑義照会をした結果、アザチオプリンは12.5mgに減量、アロプリノールは変更なく300mg/日のまま開始。
10日目:口の中と目のただれあり、眼科受診。
11日目:発熱37.5度、のどの痛み、痰(たん)の症状でクリニック受診。
12日目:目が痛くて開けられず、処方元の医療機関を受診、アロプリノールによるスティーブンス・ジョンソン症候群の診断で入院加療となる。入院中の経過は(民医連の病院でないため)詳細不明。
中止42日:視力は戻ったが、まだかすんでいる。
中止65日:目の充血、口の中のただれはよくなってきたが、目のかすみ、ドライアイは残る。
中止75日:ドライアイは改善傾向。
中止105日:目のかゆみ改善。ドライアイは残る。プレドニゾロン13mgまで漸減。

* * *

 この症例はアロプリノールの過量が原因かと思われます。アロプリノールの開始初期は1日100mgでの投与が望ましいとあり、アザチオプリンとの併用のため、慎重に開始したかった症例です。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

(民医連新聞 第1798号 2024年1月22日号)

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