育成は自然にすすまない トップの組織的論議必要 職員育成指針実践交流集会
全日本民医連職員育成指針2021年版実践交流集会を昨年11月9~10日、東京都内で開き、43県連178人が参加しました。
開会あいさつは全日本民医連職員育成部部長の川上和美さん。集会が「仲間とさらに一歩前進できる機会になれば」と呼びかけました。
問題提起は、事務局次長の岩須靖弘さん。現在の育成指針が発表されて以降、学習、討議、具体化がすすみ、「入職して20年、この組織文化のなかで育てられながら、『まず診る、援助する、なんとかする』をずっと実践してきたのだと思う」など、積極的に受け止められていると報告。また、コロナ禍での奮闘や、憲法を守る運動などを通じて職員が成長していることや、綱領、憲法、「旧優生保護法下における強制不妊手術問題に対する見解」、LGBTQに関する学習の重要性を指摘しました。
さらに育成指針の核心は「人権の尊重と共同のいとなみを大切にする組織文化を発展させて、高い倫理観と変革の視点を育む職員育成活動を前進させること。育成は自然にすすむものではなく、トップ幹部をはじめとした組織的な論議が必要」と語りました。
その後、住民への生活支援を通した育成など、4県連が実践を報告。続いて岡山県労働者学習協会事務局長の長久啓太さんが「発達の土壌づくりを担うみなさんへ」と題して講演し、「理念、価値観をみんなで学び議論するなかで、物差しや生き方が立ち上がってくる」こと、「機会をつくりながら待つ」重要性、教えるときは向き合う相手への情熱だけでなく、民医連運動や憲法など、教える事柄を学び続ける情熱が求められることなどを語りました。
2日目は分散会。3会場で6つずつ実践報告を受けて交流。まとめの全体会で、「2日間、楽しかった」「教育は未来をつくる作業だという長久さんの言葉が心にささった」などの感想が出ました。
(民医連新聞 第1797号 2024年1月1日)