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民医連新聞

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憲法カフェ ぷち㊲ 性別変更の手術要件

 性同一性障害の人が性別を変更する際、生殖機能をなくす手術(生殖不能手術)を要件とする性同一性障害特例法の規定の合憲性が争われた事件で10月25日、最高裁大法廷は違憲とする決定を出しました。男性なら精巣を、女性なら卵巣を除去しなければ性別の変更が認められず諦めるしかないとする規定は、「身体への侵襲を受けない自由」を制約しており、「過酷な二者択一を迫っている」と断定。個人の尊重を定めた憲法13条に反し、無効としました。性的少数者の権利に関する法令について、最高裁が違憲とするのは初めてです。
 さらに3人の裁判官は、生殖不能手術要件だけでなく、外観要件(性器の外観を似せなければならない)についても、憲法13条に違反し、無効との意見をのべました。
 性自認にしたがった法令上の取り扱いを受ける利益は、人格的生存(その人らしく生きていくこと)に不可欠であることは、私たちが身をもって実感していることです。今回、裁判所は真正面からこれを認め、「個人の人格的存在と結びついた重要な法的利益」と明言したことも重要だと思います。
 この決定を受け、国会は早急に特例法の規定を改正しなければなりません。LGBTQの人権を軽視する議員も少なくありませんが、政治の真摯(しんし)な対応を求めていきましょう。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1795号 2023年11月20日)