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民医連新聞

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副作用モニター情報〈606〉 イメグリミンによる嘔吐

 イメグリミン(ツイミーグ錠)はメトホルミン類似ビグアナイド系経口糖尿病用剤で、2021年9月にツイミーグ錠500mgとして薬価収載されました。血糖を下げる仕組みは、メトホルミンと一部共通と考えられていますが、メトホルミンと併用禁止ではありません。
 メトホルミン含有製剤のエクメット配合錠との併用で嘔吐(おうと)した症例が、2例寄せられたので紹介します。

症例1)80代前半女性。体重69kg。
開始日:HbA1c7.8%。エクメット配合錠HD(メトホルミン500mg配合)→LD(メトホルミン250mg配合)に減量し、ツイミーグ錠4錠1日2回追加。
開始5日後:耳鼻科受診時、薬の変更後から気持ち悪くなり嘔吐。現在は以前の薬に戻されている。
開始7日後:主治医より「気持ち悪い程度なら継続してほしいが、嘔吐したのなら」と中止になった。
開始20日後:HbA1c7.5%。ツイミーグ錠中止後からは吐き気なし。

症例2)40代男性。体重78kg。
 カナグル錠100mg1Tとエクメット配合錠LD2錠1日2回で服用中。
開始2カ月前:HbA1c6.6%。
開始日:HbA1c7.0%。ツイミーグ錠4錠1日2回で開始。
 翌日から下痢と吐き気発現。開始3日目から嘔吐が続いたため1週間後に受診。医師の指示で休薬1週間後に2錠1日2回で再開したところ、その3日後頃に吐き気と下痢が出現、1週間後に嘔吐し、自己判断で中止。
開始2カ月後:HbA1c7.0%。ツイミーグ錠中止。

* * *

 ツイミーグ錠の添付文書では、ビグアナイド系薬との併用で消化器症状の副作用のため、併用注意となっています。メトホルミンは高濃度では細胞毒性があるため、高用量の服用で消化管への影響が出やすいと思われます。本症例では、イメグリミンとメトホルミンの合計が1回1250mgと非常に高用量です。イメグリミンを含むビグアナイド系薬剤は、可能な限り1日量を3回に分散させて服用するのが良さそうです。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

(民医連新聞 第1794号 2023年11月6日)

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