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民医連新聞

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原告128人全員を水俣病と認定 民医連作成の共通診断書を証拠採用

 未救済の水俣病被害者を救済し、水俣病の全面解決をはかることをめざして全国でたたかっている、「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」の最初の判決で、画期的な「全面勝訴」を勝ち取りました。大阪地裁は9月27日、近畿訴訟の原告128人全員を水俣病と認定し、被告の国と熊本県、加害企業のチッソに対し、総額3億5200万円の賠償を命じました。
 原告らは、熊本・鹿児島両県にまたがる不知火(しらぬい)海沿岸一円に居住歴があり、チッソ工場排水中のメチル水銀に汚染された魚介類を摂取して、水俣病にかかった患者。その後、地元を離れて近畿や中部、中国地方に移住したために、症状に苦しみながらも、水俣病の情報から遮断され、また水俣病特措法の対象地域や年代の線引きなどにより、いずれも救済されずにいた水俣病被害者です。
 判決は、民医連の医師が中心となって患者を真摯(しんし)に診察し、その症候を誠実に記載して水俣病と診断した「共通診断書」の信用性を認め、原告全員を水俣病と認定。メチル水銀曝露と四肢末梢優位の感覚障害および全身性感覚障害との間の疫学的因果関係、遅発性水俣病の存在、特措法対象地域外、年代外の曝露も認め、被告らの患者切りすてを厳しく断罪しました。被告らが主張した不法行為から20年で損害賠償請求権を失う「除斥期間」は、共通診断書検診によって水俣病と診断された時を起算点として適用を退け、加害免責を許しませんでした。
 同日夜には都内でも報告集会が開かれ、近畿訴訟の原告や熊本・東京・新潟訴訟の原告、弁護団、支援者など100人超が集まりました。近畿訴訟弁護団の早川光俊弁護士は「完全勝訴だ」と強調。原告2人も登壇し「本当にうれしい」「最後の望みをかけた裁判に勝てた」と語りました。
 (次号で詳報。会長声明はホームページ

(民医連新聞 第1793号 2023年10月16日)