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民医連新聞

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相談室日誌 連載547 多世代が抱える困難事例 多機関連携で総合的な支援体制(東京)

 地域包括支援センターは、(1)介護予防ケアマネジメント業務、(2)総合相談支援業務、(3)権利擁護事業、(4)包括的・継続的ケアマネジメント支援事業の役割があります。2025年には団塊の世代が75歳以上となり、超高齢社会を迎え、社会問題も複雑化。労働者の減少、認知症患者の増加、老々介護、ダブル介護、ヤングケアラーなど、多世代の課題が浮き彫りになっています。今年度から「重層的支援体制整備事業」のとりくみが始まり、多機関連携の総合的な支援体制づくりを行っています。
 包括支援センターの役割も多機関と連携し、「包括支援センターの周知」「早期のアウトリーチ活動」「問題が複雑化する前に孤立防止」など多岐にわたります。当支援センターは、「児童館とコラボで、若いお母さん向けのダブルケアの早期対応」「高齢者の体操教室でフレイル予防」「介護者家族の会」「小学生向けの授業での認知症サポーター養成講座からヤングケアラーの早期発見」など、つながる相談ができるように周知を強化しています。
 介護の行き詰まりから困窮し、先が見えない介護状態に陥った世帯を、介護者家族の会につなげ、介護者同士のおしゃべりを通して大きな変化がみられました。
 今年5月の介護者家族の会に初参加した人は、自分の思いを話し、「今が大変ですね」「介護者が元気でいることが必要ですよ」と励まされ、会終了後はすっきりした表情で帰りました。6月の介護者家族の会では「介護はこんなもんですよ」と明るく話す姿がありました。初めての介護サービス利用も、会で多くのアドバイスを得て、スムーズな支援につながりました。
 今ある相談から支援の必要性にアンテナを高くかかげ、タイミングを誤らないよう、支援内容を相談し、行政と地域と多機関で連携してかかわっています。包括は困難事例へのかかわりが必須のため、日々、自分自身と向き合い、支援については共同で行うことが大切な職場です。
 私たちは民医連綱領を常に心に刻み、利用者・家族・患者の立場に立った親切でよい医療・福祉をすすめ、いのちや健康にかかわるその時代の社会が突きつけてくる課題にとりくんでいます。

(民医連新聞 第1790号 2023年9月4日)