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民医連新聞

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相談室日誌 連載545 当事者の可能性発揮できる就労を 主体的なピアサポーターとして(青森)

 私は2005年に精神保健福祉士として入職しました。06年には障害者自立支援法が施行され、自立支援法違憲訴訟があり、障害者総合支援法になりました。
 障がい者の福祉的就労には、就労継続支援A型、B型とありますが、そのほかにも障がい者枠での雇用や、クローズでの雇用など、働き方は以前にも増して多様化しています。今までは、「最終的には一般就労をめざし、就労継続支援の事業所からスタートしましょう」と伝えることが多かったように思いますが、最近は当事者性を持って働きたいと相談に来る人がいます。当事者性を持って働くことは、自分の障がいをオープンにして働き、また、同じ障がい者をささえる仕事をしたいということです。
 障がい者が障がい者をささえることをピアサポートと言いますが、このピアサポートを仕事にしたいという相談が増えてきました。青森県弘前圏域では、弘前保健所が主体となり、18年度から、精神障がい者ピアサポーター養成研修を実施してきました。私も講師として協力してきましたが、研修を修了した当事者が働く場の創設は、なかなか険しい道のりでした。
 今までは就労系の事業所や一般企業にお願いすることばかりでした。しかし自分たちが協働してこそ、ピアサポーターとして当事者性を持った働き方ができるのではないかと思い、持続可能な働き方を考えました。21年度の障害福祉サービスの報酬改定では、ピアサポート体制加算、実施加算が創設。国もピアサポーターの障がい当事者支援の有効性を評価し、指定特定相談支援事業所などへ配置を促し始めました。
 私たちも22年8月からピアサポーターを採用し、仕事をしています。専門職の補助業務ということではなく、ピアサポーターとして主体的に仕事をしています。今後は、よりピアサポーターとしての仕事に力を入れてもらいたいと考えています。
 昨今、法定雇用率を満たすため、障がい者を雇用しているように見せかけるビジネスが横行していますが、「緩やかな社会的排除である」と指摘されています。ピアサポーターに当事者性を発揮してもらいながら、より住みやすい社会の実現に向けて協働していきたいと思います。

(民医連新聞 第1788号 2023年8月7日)