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民医連新聞

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副作用モニター情報〈598〉 点眼薬で眠くなる?

 点眼薬による全身性副作用はしばしば観察されますが、今回はブリモニジン点眼液(アイファガンなど)による眠気について紹介します。当モニターには3例が報告されています。

 症例)75歳女性。体重記載なし。
 ラタノプロスト点眼液1日1回からアイファガン点眼液1日2回に変更。
開始2日目:朝に使用、フラッとした感じ。横に倒れてハッと起きるような状態。後日、白内障手術時の採血結果と脳波を調べたが異常なし。点眼後の目頭押さえの徹底を説明。
開始1週間後:1回眠くなったが以前より良い。目頭押さえもしている。
開始1カ月後:まだ少し眠いが良くなった。片目ずつ1時間ずらして点眼中。
4カ月後:眠気はたまにあるが以前に比べれば平気。
 メーカーからは、交感神経抑制による眠気が出る、傾眠46例・眠気214例の報告ありと2021年12月回答があった。

* * *

 80代前半女性の症例では、「点眼薬飲んでも大丈夫か」と点眼液が口に入ってしまう様子と、加えて、ちゃんと眼に入ったか心配になって何回も点眼していることが判明。40代女性の症例では3時間くらいで眠気出現、とありました。
 ブリモニジンはクロニジン類似の中枢性α2作動剤です。日本におけるブリモニジン点眼液の濃度は0.1%で、1滴中0.05mgを含有しています。0.15~0.2%液を使用している海外や、ネコに対して0.1%液を2滴使用した実験においても、嘔吐(おうと)、鎮静作用、転倒、脈拍低下、低血圧が観察されています。
 点眼液濃度が0%、0.08%、0.2%、0.5%、の二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で、疲労と眠気の頻度が、それぞれ6.7%、10.4%、29.2%に増加したという報告があり、投与量が増えると眠気の頻度が高まるのは確実と言えそうです。点眼薬とはいえ、滴数の超過を含む暴露量の増加は副作用が増えることに注意を払いましょう。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

(民医連新聞 第1786号 2023年7月3日)

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