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民医連新聞

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ともに生きる仲間として―非正規滞在の移民・難民たち 第6回 働くことは尊厳を守ること、「仮放免者」に就労を 文:大澤 優真

 前回は、働くことが禁止され、食糧に事欠き、経済的理由で医療を受けられず、家を失いホームレス状態、生活費と家賃の見返りに性的関係を強要されても堪えしのび「生きていけない」状況に追い込まれている「仮放免者」の現実についてお話ししました。今回は、そのような「仮放免者」に何をすべきかを考えます。なによりもまずすべきことは「仮放免者」に就労を認めるということです。
 北関東医療相談会が行った「仮放免者生活実態調査」では、87%の仮放免者が20代から50代の働ける年齢層の人たちであり、この点に限っていえば入管も同様な調査を行っており、ほぼ同じ結果になっています。また、同調査では日本に長く暮らす、いわば定住化している「仮放免者」が多くいることも明らかになりました。つまり、「仮放免者」のなかには、働くことができ、かつ定住化している人たちが多くいる、働くことが認められれば「生きていける」人たちが一定数いるのです。この点、昨年11月に国連からも「仮放免者」に「収入を生み出す活動に従事する機会を設けること」を検討すべきとする、日本政府への勧告が出されています。
 同調査で「仮放免者」も「まだ私は働き者です。自分の力で生きていきたい」「他人に頼るのではなく、自立して自分の力で生活したい」「この国の役に立ちたい。少しでも力になりたい」と思いを訴えています。今年5月、都内で「難民・移民フェス」が開催され、3600人が来場しました。フェスでは難民や「仮放免者」が、チャリティーで国籍国の食べ物や手芸品を販売していました。先ほど示したように、多くの「仮放免者」はサポートしてもらうことに申し訳なさを感じており、そうした自分を否定的に考えています。しかし、フェスでは私が見たことのないみなさんを見ました。支援者である私は、支援を受ける「仮放免者」の姿しか見ません。私は「みなさんはこんなに輝けるんだ。働くということは人として生きていくためにも必要だ」と感じました。働くことは尊厳を守るということです。


おおさわ ゆうま 北関東医療相談会・理事。『生活保護と外国人「準用措置」「本国主義」の歴史とその限界』(2023年)。

(民医連新聞 第1785号 2023年6月19日)

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