憲法カフェ ぷち㉒ 危険すぎ! 敵基地攻撃能力①
急激にすすめられている日本の大軍拡。これは、昨年末に政府が防衛政策の基本方針を根本的に変え、「敵基地攻撃能力の保有」を決定したことを受けてのものです。
「敵基地攻撃能力」とは、相手国の領域内のミサイル発射台や発射基地を標的とした攻撃、またその能力のことを指します(昨年、自民党が「敵基地攻撃能力」に代わる言葉として「反撃能力」を打ち出して以来、政府文書でもこの言葉が使われるようになりましたが、本質は変わりません)。
これが、どれだけ危ういことなのか、説明します。日本政府は、相手国が日本への攻撃に着手した時点で「武力攻撃発生」と捉えるので、「相手国が攻撃に着手したから、日本がミサイル攻撃をして相手国のミサイル発射基地を破壊する」ケースが想定されます。まだ一発もミサイル発射がない段階での、日本からのミサイル発射! 国際法上の先制攻撃になる危険をはらみます。
そもそも「相手国が攻撃に着手」なんて言いますが、日本にそんな情報収集能力はないので、現実には米軍からの情報頼み。仮にミサイル発射準備の情報をキャッチしたとしても、標的が日本かどうかは発射されるまでわかりません。「きっと日本が標的だ」と思い込んで攻撃して、間違いだったら? とんでもない誤爆&先制攻撃です!(明日の自由を守る若手弁護士の会)
(民医連新聞 第1779号 2023年3月20日)