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民医連新聞

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副作用モニター情報〈585〉 新型コロナ治療薬副作用まとめ

 2019年末に中国で感染が確認された新型コロナウイルス(COVID-19)は、世界中に感染拡大し、2020年3月に世界保健機関(WHO)はパンデミック宣言を行いました。
 感染拡大当初は有効な治療方法が確立できておらず、世界中を大きな混乱が覆いました。しかしパンデミック発生から2年以上が経過した今、世界的なワクチン接種のひろがりと、治療方法の確立により、徐々に混乱は落ちつきつつあります。
 日本国内では、海外で既に使用実績がある医薬品に限り、本来の手続きを短縮・省略して販売を認める「特例承認制度」のもと、さまざまな治療薬が承認され、ひろく使用されてきました。
 今回は、特に使用頻度が高いと思われる4薬剤について、全日本副作用モニターおよびPMDA(医薬品医療機器総合機構)に集約された副作用報告をまとめました。今回報告されているものは治療薬使用中に発生した症状すべてを拾い上げており、かならずしも副作用とは限らないことをご留意ください。
 全日本副作用モニターに報告されたCOVID-19治療薬関連副作用はベクルリー点滴静注用7件(肝障害6件、嘔気(おうき)1件)、ゼビュディ点滴静注液1件(肝障害1件)、ラゲブリオカプセル4件(顔面の腫れ、下痢、発疹、不眠各1件)でした。いずれも重症度は低く、重大な経過をたどった症例はありません。
 また、2022年8月までにPMDAに報告された有害事象は、以下の通りです。

 各新型コロナウイルス治療薬は世界的なパンデミック下で多数の患者に使用されましたが、最終的な有効性・安全性評価までには今しばらく時間がかかると思われます。
 また、発売後2年足らずの薬剤が多く、今後も未知の副作用が発現する可能性はゼロではありません。ひきつづき情報収集、患者観察を行っていくことが重要です。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

(民医連新聞 第1772号 2022年11月21日)

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