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民医連新聞

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憲法カフェ ぷち⑮ あるあるな「憲法古い」論①

 「1回も改正してないなんて古すぎる」「日本の憲法は古いから変えるべき」という意見を耳にしたことがあると思います。確かに、今の憲法はできてから75年間、1回も改正していません。なぜでしょうか? 答えは簡単です。変える必要がなかったからです。
 たとえば、しばしば改正回数が多い国の例として引き合いに出されるドイツでは、州と連邦で役割分担しており、連邦の権限を憲法(基本法)で決めているので、連邦の権限が変わるたびに憲法改正が必要です。EU(欧州連合)に加盟しているという対外的な理由で憲法改正が必要になることもあります。
 アメリカの憲法は、200年以上前につくった最初のバージョンでは内容が薄すぎて、さまざま条項を足さないとやっていけません。奴隷制の廃止や黒人参政権なども、憲法改正で追加しています。
 他方、日本国憲法は、多数の自由や権利を抽象的に定めているだけでなく、包括的な人権条項(13条)を定めているため、裁判所の解釈で柔軟に対応でき、憲法改正で新しい人権を定める必要がありません。たとえば、プライバシー権は明文にはありませんが、憲法13条で保障されると解釈されています。また、ドイツのような連邦制でもありません。だから、変える必要がないんです。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1771号 2022年11月7日)