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民医連新聞

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SDHの視点で日常診療を 青年歯科医師歯科奨学生合同会議

 8月28日、青年歯科医師・歯科奨学生合同会議を開き、13県連から青年歯科医師25人、3県連から歯科奨学生3人が参加しました。
 歯科部長の岩下明夫さんが、昨年5月のWHO第74回世界保健総会における「口腔(こうくう)保健決議」について報告。貧困と格差がひろがる今、SDHの視点で日常診療に携わることの重要性を強調しました。次に、歯科部副部長の榊原啓太さんが『歯科酷書第4弾』を報告。「診療で見えてくる実態を告発し、自己責任と対峙(たいじ)する社会的責任を社会へ発信してきた。『歯科酷書』に掲載されている事例をよく学び、“みる目”を養うこと、口腔内だけでなく患者の人生に心を寄せること、一人で解決しようとせず多職種の力にも頼ること」などを呼びかけました。
 続いて、沖縄・中部協同病院歯科の上原新翔さんが「気になる患者」の症例を報告。生活保護を利用中の50代男性が「全体的に噛めない。入れ歯を入れたい」を主訴に受診。「以前はバスドライバーとして従事していたが、前歯が3、4本しかなく、歯をかばって噛んでいたら、首・肩も激しく痛み、働けなくなった」という患者の生活状況を聞き取りながら、治療計画を立てて、治療をすすめています。口腔内の状況を整え、社会復帰の一役に立てるよう、患者と二人三脚でがんばっていきたいと意気込みを語りました。
 最後に、SGDを行い、講演の感想、事業所での研修の様子、無低診のとりくみ、大学での生活や勉強面を情報交流しました。(全日本民医連歯科部 松橋有沙)

(民医連新聞 第1769号 2022年10月3日)