沖縄県知事選 届け、平和への思い
9月11日、沖縄県知事選が行われます。基地のない沖縄、人権・憲法、そして日本の民主主義が問われるこの選挙に、各地から思いを寄せてもらいました。
沖縄に寄り添う
山梨・甲府共立病院 鞠子陽子(事務)
私が辺野古へ行ったのは、埋め立て開始の1年後。軟弱地盤で予定が大幅に遅れても、政府は辺野古に固執し、工事がすすめられていました。毎日、ゲート前の真っすぐ伸びた道路には、見渡す限り資材を乗せた車両が並び、まるで働きアリが列をなしているようでした。一方で、必死に基地反対を訴え、座り込みを行う地域の人たちを、機動隊が強制排除してゆく姿を見て、「これが日本か?」と悲しさや憤りを覚えました。
支援連帯行動の最終日、「遠く離れて住む私たちができることは、沖縄の今に寄り添い、過去や現状を忘れないこと」と参加者で話し合いました。
有事を建前に改憲の声があがるなか、さらなる基地負担を沖縄に強いてはいけません。沖縄の問題に寄り添うことが、沖縄の未来、日本の平和をつくることにつながると思います。
沖縄県知事選に向けて、新基地建設阻止の気持ちを掲げ、ともに歩んでくれる玉城デニー知事の再選を強く願っています。
自分ごとと考えて
神奈川・横浜勤労者福祉会 畑野哲明(事務)
私は神奈川民医連第17期平和学校で、沖縄フィールドワークに参加し、各地の基地やテント村などを見学しました。
特に印象深かったのは、辺野古のきれいな砂浜を分断する、基地建設のフェンスです。「宝の海を守ってほしい」という住民の願いや、県外からの連帯のメッセ―ジが連なっており、私たちも寄せ書きを残しました。テント村のなかで、基地建設に抗議し続けてきた現地の人の声を聞けたことも、貴重な経験になりました。
私はこの体験を通し、いかに自分が沖縄の問題に無関心だったか気づかされました。オール沖縄のたたかいや、住民投票などで示された「基地NO」の民意は、政府に無視され続けています。この問題は沖縄だけでなく、日本中の誰もが、自分ごととして考えてなければ解決できません。多くの人が沖縄の基地問題について学び、発信していくことが必要です。
平和で豊かな未来を
福岡・米の山病院 岡村万里子(看護師)
私は全日本民医連の第7期平和学校に参加し、沖縄の現状や辺野古の問題について学びました。
沖縄の米軍基地は、米軍が土地を強制接収してつくったものです。その基地があることで発生する事件(米軍ヘリの墜落、交通事故や米兵らによる殺人・性的暴行など)、環境被害が、人びとの生活に大きな影響を与えています。
沖縄では戦後もずっと住民の安全性が軽視され、いのちと暮らし、人権がふみにじられています。国民の権利と安全を守ることが、国家の責任であるはずです。米軍への思いやりよりも、国民生活への思いやりこそが必要です。
私は被害者の声に耳を傾け共感すること、周りに伝えひろめていくことが大切だと思います。平和で豊かな未来をつくっていくためにも、一人ひとりが平和の問題を身近に感じてほしいです。
沖縄県知事選では、「オール沖縄」の団結で、沖縄の未来を守り抜くことを願っています。
(民医連新聞 第1766号 2022年8月15日)