2022年参議院選挙の結果を受けて 9条改憲許さず、 憲法の理念を生かし平和で人権が尊重される公正な社会に
7月12日、増田剛会長は以下の声明を発表しました(概要)。
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7月10日投開票で参議院選挙が行われました。選挙結果は、自民、公明の与党が非改選(70議席)と合わせて参院定数の過半数を維持、改憲に前向きな日本維新の会、国民民主党などを含めて93議席を獲得し、非改選議席と合わせて177議席で、改憲発議に必要な参院定数の3分の2以上(166議席)を維持することとなりました。
まさにこれからが正念場です。あらためて、今期最大の運動課題である9条改憲を許さないたたかいに、民医連の総力を挙げて全力で奮闘しましょう。
今回の参議院選挙は、ロシアのウクライナ侵略が続くもとで、9条改憲策動の加速や、軍事予算のGDP比2%への増強など軍備拡大とともに、全世代への負担増を押しつけ、社会保障解体の動きが強まるなかで、「戦争か平和か」「軍備増強か暮らし充実か」が問われる選挙でした。
参議院選挙の世論調査では、有権者の願いは、経済、社会保障、暮らしです。NHKの調査(6月27日)では、もっとも重視する政策課題は、「経済対策」が43%、「社会保障」が16%であり、「憲法改正」は5%です。多くの国民は、改憲発議を急ぐことなど求めていないのは明らかです。
しかし、岸田首相は選挙後の会見で、改憲4項目について「いずれも現代的な課題であり、党是の実現に向け、国会での議論をリードしたい」と表明し、改憲に前のめりの姿勢を示しました。
参議院選挙で示された国民の願いは、民医連が掲げた参議院選挙要求の4つの項目と一致するものです。ひきつづきこの要求実現に向け、共同組織や地域住民とともにとりくみをすすめましょう。
これまで2回の参議院選挙では、32の一人区で市民と野党の共闘にささえられた野党候補一本化が実現しましたが、今回は一人区で4人の当選にとどまりました。しかし、野党共闘が実現した選挙区では勝利しました。沖縄選挙区では「辺野古新基地NO」を掲げたオール沖縄のイハ洋一氏が議席を確保し、9月に予定される沖縄県知事選挙での玉城知事再選に向けた大きな弾みになりました。
市民と野党の共闘が果たす力に確信を持ち、憲法の平和主義、立憲主義、民主主義の回復をめざすさまざまな個人、団体とともに、憲法を守り生かすとりくみを強めて、9条改憲阻止の大きな運動をひろげていきましょう。
(民医連新聞 第1765号 2022年8月1日)