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民医連新聞

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「国の賠償責任認めない」 原発避難者訴訟 最高裁判決

 東京電力福島第一原発事故で避難した住民ら計約3700人が、国に対し原状回復や損害賠償を求めた、生業(福島)・群馬・千葉・愛媛の4訴訟で、最高裁判所第二小法廷(菅野博之裁判長)は6月17日、国の賠償責任を認めない判決を出しました。第二小法廷の多数意見は、国が原発事故の原因となった津波を予見できたかどうかには言及せず、国が規制権限を行使して東電に津波対策を講じさせていたとしても、「同様の事故が発生するに至っていた可能性が相当にある」として、国の責任を否定しました。
 最高裁前で判決のしらせを受けた原告のなかには、ショックで崩れ落ち、しばらく立ち上がれない人も。「ふざけんな」などの怒りの声があがり、騒然となりました。続く記者会見で生業(福島)訴訟弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、「法律が何のために規制権限を与えているのかに答えない、被害者の求めに正面から向き合わない、3・11から何の教訓も与えない、肩すかし判決だ」とのべ、不当な判決内容を報告。原告らは「こんな判決では日本はまた原発事故をくり返す」「責任をとらない国に規制権限を持つ資格はない」などと訴えました。
 なお、4人の裁判官のうち1人は反対意見を出し、多数意見が判断を回避した津波の予見可能性を認め、「『想定外』という言葉によって、すべての想定がなかったことになるものではない」とのべ、国の責任を認めています。
 全日本民医連は6月21日、会長声明「原発避難者訴訟の最高裁判決に強く抗議する」を発表。「到底受け入れられるものではない。原発事故の責任を国が負えないのであれば、すべての原発をただちに廃炉にすべき」としています(全文はホームページ)。

(民医連新聞 第1763号 2022年7月4日)

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