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民医連新聞

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みんなで実践 職員まもるヘルスケア 全日本民医連 職員健康管理委員会 (11)職員守る民医連文化(最終回)

 長引く新型コロナウイルス感染症の影響で現場が疲弊するいま、職員のヘルスケアはとりわけ重要です。全国での実践を伝える連載最終回は、安全・安心の職場づくりについてです。

 「コロナ禍」は当然、私たちの職場にも多大な影響をおよぼし、それ以前からの「新自由主義」的な政策の矛盾が一気に噴き出しました。
 「職場のトイレで涙を抑えて仕事に戻る」「どんどん心が冷え込んでいく。同僚を気づかう余裕はない」「対応が追いつかず、多くの犠牲者を出してしまった。悪夢のような日々だった」――。地方自治体で働く保健師の声です。医療・福祉分野で働く人は、この2年半の間の異常な長時間労働や緊張で、自殺やうつ、アルコール依存症が増えているとも言われています。
 しかし、この厳しい状況は、エッセンシャルワーカーの存在を世に知らしめ、その人たちのいのちと健康を守ることなしには、社会が正常に維持できないことを明確にしたのです。社会的な運動として、医療・福祉、公務員などの人員増と待遇、働く場の環境改善をすすめる、またとないチャンスの時です。
 ある心理学の雑誌では「誰かをケアする人のケア」が特集されていました。医療・福祉従事者は「感情労働」を担い、支援する人です。メンタルヘルス対策について、事業所が方針を持ち、窓口の設置や研修会を行うと同時に、職員相互のサポートも重視されています。災害時のみならず、職員(支援する人)の健康を守ることで、支援される人(患者・利用者など)の安全を担保し、有効な支援を行うことができるのです。
 「安全第一」という言葉は、工事現場などでよく見る標語です。もちろん、働いている人の安全確保の標語ですが、医療・介護現場では、「患者(利用者)の安全第一」と思う人もいるようです。
 全日本民医連職員健康管理委員会では、2020年5月に職員のヘルスケア指針を出し、6月には、約300人の参加で活動交流集会を開催。そこで確認されたのは、「災害時に職員の健康を守り抜くことが、民医連の文化として定着した」ことです。
 メンタル不調対策に限らず、広い意味での感染防止(ノーリフトや長時間労働対策を含む)やハラスメント対策など、安心して働くことのできる職場環境づくりの積み重ねが、非常時の底力になります。コロナ禍を契機に、ワンランクアップした安全・安心の職場づくりをめざしましょう。(岡村やよい、事務)

(民医連新聞 第1761号 2022年6月6日)