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民医連新聞

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医療費、生活など支援を コロナ禍起因の困窮事例調査 全日本民医連

 全日本民医連は4月18日、東京都内で会見し、「コロナ禍を起因とした困窮事例調査報告」を行いました。同調査は昨年に続いて2回目。民医連の全事業所を対象に、コロナ禍に起因する困窮事例(20年10月~21年12月末)を報告するように呼びかけ、409事例が集まりました。まとめにあたっては、経済的困窮が認められる346事例を抽出しました。
 会見では、調査結果の概要を全日本民医連理事の久保田直生さんが報告しました。久保田さんは男性の52%がひとり暮らしで突出していることや、収入別では無職が47%、非正規労働者が27%と大半を占めたことなどを説明して事例を紹介しました。
 アルバイトで生活していた60代男性は、コロナ禍で収入が減少したため、腹痛を感じながらも、歩行が困難になるまで我慢。受診時にはすでに手遅れで、闘病の末、数カ月後に亡くなりました。
 夫の暴力で離婚した40代のシングルマザーはダブルワークで生活。コロナ禍で仕事がなくなり自殺を考えましたが、帰りが遅いことを心配した息子からの携帯電話への着信で思いとどまり、チラシを手に生活相談に訪れました。
 親の介護を理由に無職となった40代男性は、親の死去後、きょうだいに住居を処分され、ネットカフェで生活。日雇いの仕事でいのちをつなぎましたが、コロナ禍で仕事もなくなり、路上生活を余儀なくされて、両足に凍傷を負いました。
 全日本民医連事務局次長の山本淑子さんは、▽生活保護行政の「水際作戦」をやめること、▽国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料、医療費の一部負担金などの減免制度を拡充すること、▽コロナ禍で特例として認められた国民健康保険における傷病手当金の対象を新型コロナウイルス感染症に限定しないこと、▽住む場所を失った人に住居を無償で貸与することなどを国の責任で行うよう要望。また、新型コロナウイルス感染症の後遺症で就業が困難になっている事例が報告されたことも踏まえ、国として後遺症の実態把握、医療費などの支援の検討を求めました。(詳細は次号に掲載)

(民医連新聞 第1759号 2022年5月2日)