全日本民医連 第45回定期総会 2月25~26日 全議案を承認 新役員を選出 憲法を生かし人権と公正の視点で いのちとケアが大切にされる社会を
全日本民医連は2月25~26日、第45回定期総会をオンラインで開催し、全県連から参加した代議員594人と全日本民医連理事らが議論しました。運動方針、決算・予算などの議案を、圧倒的多数の賛成で決定。45期の新任役員87人と会計監査3人を選出しました。
今井晃事務局次長が開会あいさつ。志村政美(埼玉)、宇留野良太(東京)、宮澤由美(神奈川)各代議員を議長団に選出しました。
全日本民医連理事会を代表して増田剛会長があいさつ。前総会からの2年間で亡くなった職員に、全員で黙とうしました。増田会長は、44期を「民医連魂を存分に発揮した2年間」とふり返り、45期運動方針案で示した「公正」と「ケアの倫理」について補足して、討議を呼びかけました。
共同組織連絡会代表委員の布施仁(まさし)さん(東京・代々木健康友の会)は、民医連職員の奮闘を「誇りに思う」とのべ、今年9月開催予定の共同組織活動交流集会(山梨)への参加を呼びかけ。日本HPHネットワークCEOの島内憲夫さんはビデオメッセージで、45回総会スローガンが「WHOの21世紀戦略、ヘルスプロモーションと軌を一にする」と激励しました。総会中、韓国社会的医療機関連合会や医学連などのメッセージも紹介しました。
運動方針案について、岸本啓介事務局長が提案。社会保障の解体によりつくり出されてきた貧困、健康格差にコロナ禍が追い打ちをかけ、解雇・失業、収入減で医療・介護にたどりつけない事例が、地域から多数寄せられていると指摘。45期を「いのちに直結する転換点」と強調し、改憲を阻止し、いのち優先の社会へ、「その羅針盤となる運動方針を2日間の積極的な討論で練り上げよう」と呼びかけました。
西澤淳事務局次長が決算報告と予算提案。選挙管理委員会委員長の杉浦秀明代議員(東京)が、全日本民医連役員選出規定第19条ただし書にもとづき信任投票の省略を提案し、承認されました。
討論では「新型コロナウイルス感染症対応下における地域連携交流会」(京都)、「地域のニーズに応えた医療・介護の転換~地域で輝く中小病院をめざし」(北海道)など26人が発言。今総会はコロナ禍によるオンライン開催のため、分散会は行いませんでした。
2日目は全体討論を行い、「希望ある未来のために気候危機打開にとりくもう」(北海道)、「東日本大震災後11年、被災者の今」(宮城)など25人が発言しました。
岸本啓介事務局長が理事会総括報告。運動方針案と決算・予算案を圧倒的多数で採択。特別決議2本(Iは3面に全文。II「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に断固抗議し、即時中止を求める」はホームページ参照)と、総会スローガンを採択し、評議員・予備評議員の選出を承認しました。
第14回民医連表彰は、3つの論文と4つの発表が受賞しました(2面に選考結果)。
退任役員17人を代表して阿南陽二前副会長があいさつ。45期理事会を代表し、増田剛会長が決意表明し、加賀美理帆副会長が閉会あいさつをしました。【詳報は次号(3月21日付)】
第45回総会スローガン
○9条改憲阻止、核廃絶と脱炭素の運動をすすめ、憲法を生かし人間と環境に優しい持続可能なまちづくりに、共同組織とともにとりくもう
○人権と公正の視点で、共同のいとなみとしての医療・介護活動を一体的に実践し、「事業・経営」、「医師養成」での飛躍を創り出そう
○個人の尊厳、ジェンダー平等が貫かれた、いのちとケアが大切にされる社会の実現をめざし、広範な市民とともに政治に働きかけよう
(民医連新聞 第1755号 2022年3月7日)