第15回全日本民医連 学術・運動交流集会 オンライン開催 憲法が生きるコロナ後の新しい社会へ力を合わせよう
10月22~23日、第15回全日本民医連学術・運動交流集会(以下、学運交)をオンラインで開催しました。全体会は全国から職員、関係者含め1500アクセス以上で、開催中ののべアクセス数は4820件。日頃の医療・介護実践や、社会保障やまちづくりに関する運動のとりくみなど、経験や実践を交流し、学びあいました。当初は香川県で開催予定でしたが、コロナ禍で全面オンラインの開催となりました。(稲原真一記者)
オープニング企画は開催予定地だった香川から、40周年を迎えた香川医療生協の記念映像を上映。上映に先立ち、県連会長の大西和子さんが「コロナ禍はまだまだ続きそうですが、オンラインで交流を楽しみましょう。落ち着いたら香川にも来てください」とあいさつしました。記念映像に続いて、香川民医連の職員が「うどんの作り方」を実践しながら事業所紹介をする、ユーモアたっぷりの特別映像も上映し、参加者を楽しませました。
学運交実行委員長の柳沢深志さんが開会あいさつ。「憲法が生きる社会への激動のなかで、私たちはコロナ禍で見えてきた国民のさまざまな困難に寄り添い、仲間との信頼で乗り越えてきました。そのなかで培ってきた経験を学びあい、明日への力にしましょう」と呼びかけました。来賓あいさつは韓国の社会的医療機関連合(社医連)のキム・ボングさんと人道主義実践医師協議会のウ・ソクギュンさん。オンラインで連帯と集会への期待を寄せました。
全日本民医連会長の増田剛さんがあいさつ。「学運交で共有される教訓は45回総会運動方針に反映され、これからの運動の方向をさし示します。大いに学び、交流しましょう。政治的にも大きな転換点で、重要な『ケアの倫理』について、まさにベストマッチな講師をお呼びすることができました」として、同志社大学大学院教授の岡野八代さんを紹介しました。岡野さんは「ケアと多様性を大切にする社会へ」と題して記念講演を行いました。
分科会は1日目、2日目にまたがる3部構成で行われ、17テーマで25分科会を設置、全国から約600の演題発表がありました。発表は事前に録画した動画をZoomで共有する、初のフルリモート形式でしたが、大きな混乱やトラブルなく無事に終えました。山形・至誠堂総合病院の三瓶元輝さん(理学療法士)は、発表者として初めて全国の学運交に参加。「事前に発表を録画でき、緊張で失敗したり時間超過したりすることもなく、やりやすかったです。分科会の移動がしやすいのもよかった。私の病院は直接のコロナ対応をしていませんでしたが、コロナ禍での看取りなど、全国の経験を知る良い機会になりました」と、感想を寄せました。
2日目の午後はテーマ別セッションを開催。「デジタル化に立ち向かう民医連の医療・介護 デジタル化の中での民医連の医療・介護」「貧困、自己責任と向き合い、コロナ後にどんな社会をめざすか」「住み続けたいまち、住民主体となるまちづくりのヒント・実践を交流しよう」の3つのテーマに分かれ、学習・交流を行いました。
大規模なオンライン開催に向け、各地でもいろいろな準備が行われました。京都民医連県連常任理事の宮村真弘さん(事務)は、県連職員向けに独自のホームページを作成。「たくさんのお知らせがあるなかで、学運交の情報が埋もれてしまわないよう、情報を一元化しました。当日もストレスなく参加できるよう工夫し、多くの参加者が学運交の雰囲気を共有できました。この経験は今後の集会などにも生かしていきたいです」と語りました。
メインテーマ
●地域の困難に寄り添い、いまこそ「医療・介護活動の2つの柱」を深化させ、人権を守り抜こう
●共同組織とともにまちづくりをすすめ、住民自治の実践で未来ひらこう
●平和と地球環境を守る国際社会に連帯し、いのち優先する日本へ市民の共同を広げよう
(民医連新聞 第1749号 2021年11月15日)