診察室から 希望を持てる社会へ一歩を
多くの職員は、自分が感染しないかという不安とたたかい、職場に感染を持ち込まないかと普通の人以上に行動を制限し、歓送迎会や健康まつりや忘年会、旅行も映画も我慢し、心も体もとても疲れた2年間でした。大変でも、なぜ医療現場でがんばるのか? 家族に負担をかけたり心配させながらも、なぜ医療現場でがんばるのか悩んだこともあったかも。辞めたい、逃げ出したいなと思ったこともあったかも。なぜ、これまで続けられたのだろうと思います。
「患者さんがいるから」「患者さんの苦しみや、患者さんの生活の大変さに日々接しているから」「患者さんの笑顔が元気をくれたから」「つらい時でも、職場にいると職場の仲間といっしょにがんばると、ホッとして元気がでたから?」。いろんなことで励まされ、また自分を励ましながら、みんな良くがんばってきました。私は今年から診療所の所長になり、小さな職場だけれど職員、なかでも若い職員が生き生きと働けるようにと微力ながら悩んでいます。
内閣府が行った調査では、若者が自分の将来について明るい希望を持っているか否かについて、「希望がある」と「どちらかといえば希望がある」の合計が、他の諸国では8割から9割の水準であるのに対し、日本は6割と低い。特に、明確に「希望がある」と答えた若者の割合は、米・英・スウェーデン・韓国がいずれも4割から5割であるのに対し、日本は約1割にすぎないとのこと。
自民党の総裁選、派閥の実力者が陰で操る「組長」選びでした。日大での背任疑惑問題のK会の元理事長は、「安倍友」。「モリカケ問題」から何の反省も改善もない今の与党政治。「安倍友」問題が裏の側面なら、経団連は表の「安倍友」。彼らのための政治におさらばを。若者が希望を持てないのは、若者のせいではない。このままだとお先は真っ暗。若者や子どもたちが「希望を持てる」社会、一人ひとりを励ますことのできる社会のために、一歩を踏み出す時です。(松本久、熊本・くわみず病院附属くすのきクリニック)
(民医連新聞 第1748号 2021年11月1日)
- 記事関連ワード