10.14総行動 医療と社会保障を立て直せ いのちまもる政治の現実を ともに社会の仕組みを変える行動に
「#いのちまもる 医療・社会保障を立て直せ! 10・14総行動」が東京・日比谷野外音楽堂で開催され、WEBでも全国に配信されました。全国の医療機関、介護・福祉施設などで働く職員などが参加しました。「コロナからいのちをまもれ」「格差と貧困をなくせ」「診療報酬・介護報酬を大幅に引き上げろ」と声を上げました。(長野典右記者)
本集会は、全日本民医連をはじめ、全国保険医団体連合会(保団連)、日本医療労働組合連合会(医労連)、中央社会保障推進協議会(中央社保協)など10団体でつくる実行委員会主催で毎年開催しています。
■患者負担増は中止に
日本医労連の佐々木悦子委員長は主催者あいさつで、「社会保障削減路線を掲げる岸田政権に対し、野党の共通政策に医療・公衆衛生整備を迅速にすすめる医療費削減政策の転換が盛り込まれた」と指摘。政権交代で国民のいのちを守る政治を実現しようと訴えました。日本医師会、日本歯科医師会のメッセージも紹介されました。
続いて落語家の立川談笑さんが登壇し、母親が看護師として働いてきたことや自らの闘病経験を語り、医療従事者にエールを送りました。
各現場からのリレートークでは、保団連の森元主税(ちから)さん(歯科医師)は、「コロナ禍で学校健診後の受診状況を調査したところ、4~6割が未受診で、歯科はさらに割合が高い」「経済的理由で負担金を気にして、食べる喜びを諦める、医療から遠ざける負担増は中止すべき。選挙で政治を変えよう」と訴えました。
新医協の山本民子さん(保健師)は、「保健所は1994年の地域保健法制定に伴い、統廃合で保健所の設置数は同年の847カ所から2020年には469カ所と4割強も減った」「新型コロナウイルスの第5波で保健所機能が麻痺(まひ)、崩壊し、東京五輪が始まった7月には、江東区では自宅療養者が500人を超え、入院先が確保できない状況に」「過労死ラインこえる1カ月80時間超えが(保健所の)職員の2割を超えた。住民のいのちと健康をまもるために、人員確保と予算の拡充を」と強調しました。
■いのちは平等
民医連から、大阪・西淀病院の小玉裕加子さん(看護師)は、「感染のリスクの中でプレッシャーを感じながら看護をしてきた。感染症のパンデミックは国民多数の意見も聞かず、科学的判断もせず思い上がり、忖度(そんたく)する政治のなかで起こった」「いのちは平等、健康に生きる権利、教育を受ける権利に貧富や人種の差があってはならない。ともに社会の仕組みを変える行動を」と訴えました。
日本医労連の岡山医療生協労組の竹原真由美さんは、「コロナ禍で、デイサービスがこれまでのようにできなくなり、家族の負担が増え、利用者のADLも低下し、デイの楽しみがなくなった」「介護保険の上乗せ加算も9月に終了した。事業所にも補償を継続して、利用者・職員を守ってほしい」と力を込めました。
また立憲民主党、日本共産党、社会民主党があいさつしました。
集会では、(1)いのちと人権を守れる医療・社会をつくる政治、(2)医師、看護師などの大幅増員・処遇改善、公衆衛生の体制拡充、(3)患者・利用者の負担増ストップ!(4)診療報酬の大幅引き上げのアピールを採択しました。
(民医連新聞 第1748号 2021年11月1日)