みんなで実践 職員まもるヘルスケア 全日本民医連 職員健康管理委員会 (5)経験生かし、継続的支援
長引く新型コロナウイルス感染症の影響で現場が疲弊する中、職員のヘルスケアはますます重要です。全国でとりくまれた、職員のヘルスケアを伝える連載第5回は県連のとりくみです。
石川民医連では、昨年3月末に外来患者で初めての新型コロナウイルス陽性者が出て、対応した職員が濃厚接触者と認定されました。3月はすでにWHOからパンデミックに伴い医療従事者のヘルスケアのとりくみの必要性が発信されており、動きだした感染対策会議と別に、その対策を補完するとりくみが必要になると認識していました。
昨年4月末にはコロナメンタルサポートチーム(以下、CMS)を立ち上げ、メンバーは県連メンタルヘルス委員の精神科医と心理士、看護部管理メンバーと衛生委員会保健師、労組、そして県連対策本部事務局で構成しています。以来現在までの間に、ニュースの定期発行によるヘルスケアを中心とした情報提供、自宅待機者への配布資料作成、メンタルサポートの流れ作成、2回の全職員アンケート調査、コロナ専用相談室の開設、相談事例への対応、ハイリスク職場の全員面接と職場環境改善の対策本部や管理部への報告、感染休務後の職場復帰プログラム作成、などを実施してきました。
当県連では2004年3月に発生した職員による向精神薬窃盗事件という、法人の存亡も危惧された出来事の発生を契機に、職員のメンタルヘルス活動のとりくみを総合的・継続的に実施してゆくメンタルヘルス委員会を設置しました(ちなみに全日本民医連は同年4月「健康に働きつづけるために(案)」パンフの第1号を発行しています)。ニュースの発行、メンタルヘルスの学習啓発活動、新入職員全員面接制度、中途採用者・疲労蓄積職員面接、意識調査活動、職場復帰援助プログラムの作成と周知、ハラスメント防止の手引き作成と学習活動、危機介入などを行ってきています。
今回のCMSは、パンデミックに迅速かつ柔軟に対応できるように、従来の衛生委員会、メンタルヘルス委員会と別に立ち上げました。コロナパンデミック特有の問題はあるにしても、活動方針やメンタルヘルス上の資材作成、ハイリスク職場への介入など、これまでの20年近い活動経験が基礎となっています。平生の活動の大切さをあらためて感じるとともに、まだ収束のみえない事態のなか、おそらくはこれまでで最大の危機と言える今回の感染爆発を、ともに乗り越えたいものです。(松浦健伸、石川・医師)
(民医連新聞 第1744号 2021年9月6日)
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