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民医連新聞

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“核兵器は違法” 胸をはって平和な世界へ 民医連平和の波交流集会

 被爆76年、原水爆禁止2021年世界大会(WEB開催)には、民医連から例年の倍近い3145人が参加しました。関連して全日本民医連は8月6日、「民医連平和の波交流集会」をWEBで開催し、全国から645人が参加しました。(丸山いぶき記者)

 全日本民医連副会長の上原昌義さん(沖縄医療生協理事長)が開会あいさつ。「核兵器禁止条約に参加しない日本政府は、本当に情けない。『黒い雨』広島高裁判決は被爆76年でようやく勝ち取った歴史的勝利。今後も粘り強く、たたかいの小さな一歩を積み重ねよう」と呼びかけました。
 韓国から韓国社会的医療機関連合会(社医連)理事長のキム・ボングさんと、人道主義実践医師協議会共同代表のイ・ボラさんが連帯あいさつ。イさんは「今年も平和の波の交流に集う民医連のみなさんを尊敬する」と話しました。

■核兵器廃絶へ学びつなごう

 学習企画では、原水爆禁止日本協議会の前川史郎さんが「手をつなごう核兵器のない世界と未来へ」と題して講演しました。
 冒頭「平均年齢84歳に迫る被爆者の証言を聞き、広げてください」と呼びかけた前川さん。広島・長崎への原爆投下、その後のうそと隠ぺい、非人道的な核兵器開発の歴史を解説。今年1月に発効した核兵器禁止条約の効力に触れ、「胸をはって子どもたちに、核兵器は違法と伝えられる世界になった」と強調しました。
 しかし、世界にはまだ1万3130発もの核兵器が存在します。その危険性と憲法9条を持つ唯一の戦争被爆国にあるまじき日本政府の態度、世界から向けられる厳しい目などに言及。「総選挙で、核兵器禁止条約を批准する政府を実現しよう」と呼びかけました。
 文化企画には、チェルノブイリ原発事故被害者でもある歌手・バンドゥーラ奏者のナターシャ・グジーさんが登場しました。出身地ウクライナの民族弦楽器バンドゥーラの演奏で、「瑠璃色の地球」と「ふるさと」を歌いました。

■若い職員のがんばり光る

 今年も各地の会場をオンラインでつなぎ、反核・平和のとりくみをリレー報告しました。
 広島からは、広島中央保健生協の8・6実行委員会の活動を、今年4月に入職した宮塚玲奈さん(事務)が動画で報告。「核兵器禁止条約が発効したいま、戦争をしないと誓った国として歴史を風化させてはならない。平和と平等を訴え続けたい」と話しました。
 長崎からは、被爆遺構めぐりガイド養成講座について、松永崇嗣さん(デイサービスきらり・介護福祉士)が報告しました。国民平和大行進の縮小に伴い始まった「おうちで平和行進」で、利用者といっしょに遺構をめぐっていることも紹介しました。
 福岡からは、大牟田空襲の聞き取りと動画作成について、深浦裕理さん(米の山病院・言語聴覚士)が報告。3度の大牟田空襲を経験した患者Aさんが語った“戦争反対”の強い思いを受け継ぎ、「今後も平和活動にとりくんでいきたい」と力強く語りました。
 兵庫からは神戸健康共和会の平和アクションプラン推進チームの活動を、大前雅裕さん(東神戸病院・事務)と相野早紀さん(東神戸医療互助組合・事務)が報告。2020年NPT(核不拡散条約)再検討会議&原水爆禁止世界大会〓ニューヨークに参加予定だったメンバーの思いが、旺盛なとりくみにつながっています。
 神奈川からは、今年第20期を迎えた県連平和学校について、小林世弥さん(神奈川民医連・事務)が報告。毎年、多彩な平和学習やフィールドワークが行われ、これまでに250人以上が卒業し各法人で活躍しています。
 青森は2法人から。あおもり健康企画は、17年続く朝宣伝や総選挙への参加の決意など、職員ひとりひとりの平和を願う行動を動画で紹介。ファルマからは愛と平和を守るファルマレンジャーが登場し、今年の世界大会に参加する若手職員や活動を紹介しました。
※集会の様子は、YouTubeで見られます(視聴回数584回/9月1日現在)。URL:https://youtu.be/6e94IGhDWX0

(民医連新聞 第1744号 2021年9月6日)