2021 選挙に行こう まもなく衆議院選挙 「いのち最優先」の願いを国会に届けよう
衆議院議員の任期満了(10月21日)が近づき、秋に衆議院選挙が行われます。「投票に行くにはどうしたらいいの?」そんな疑問に答えます。(多田重正記者)
Q 衆議院選挙って何?
A 衆議院の国会議員全員を選ぶ選挙です。
国会には衆議院(定数465)と参議院(定数248)があります。衆議院(任期4年)は参議院(任期6年)に比べて任期が短い分、直近の民意を反映していると考えられるため、参議院で否決された法案でも衆議院で出席議員の3分の2以上の賛成で再可決すれば成立など、参議院より強い権限があります。衆議院選挙は、国政を左右する重要な選挙です。
Q 誰が投票できるの?
A 日本国籍を持つ18歳以上の全員が投票できます。
国会議員の選挙では、住民票移転後3カ月たっていない場合も、旧住所の住民票登録が3カ月以上あり、住民票転出から4カ月未満なら旧住所で投票できます。
Q 投票所はどこですか?
A 投票所入場券 (以下 「投票券」 ) とともに送られてくる案内に載っています。
公示日(投票日の12日前)が近づくと、自宅(住民票のある場所)に投票券が届きます。投票の日時・場所も案内されます。
自治体や選挙管理委員会のホームページでも確認できます。
Q 投票方法は?
A 今回は小選挙区、 比例代表の2回投票します。
持ち物は投票券だけです。受付で投票券を出し、係の案内に従って投票します(無記名投票)。
(1)小選挙区選挙
最初は小選挙区選挙。選挙区で、最も得票が多い人だけ当選します(全国289選挙区)。投票場で渡される投票用紙に、立候補者の名前を1人書いてください。
(2)比例代表選挙
次に比例代表選挙です。衆議院の比例代表選挙(定数176)は全国11のブロックに分かれて行われ、得票数に応じて議席が政党に配分されます。各政党が提出した候補者名簿の1位から順に当選者が決まる仕組みです。投票用紙に政党名を1つ書きます。
Q 政党の政策や立候補者について調べるには?
A 政策は、 政党のホームページなどに載っています。
選挙前から予定候補者を発表している政党もあります。政党のホームページをチェックしましょう。新聞も選挙区ごとの予想される立候補者の顔ぶれや選挙戦の様子、政策などを報道します。
公示後、自宅に選挙公報(政党の政策や候補者の経歴などについて紹介)も届きます。
Q 選挙に行って意味あるの?
A 選挙に行ってこそ、 政治は変えられます。
今年7月4日の東京都議選では、立憲民主党や日本共産党などの野党が候補者を一本化した21選挙区のうち、12選挙区で当選し、野党の議席増につながりました。
今年4月25日に行われた参議院広島選挙区の再選挙、長野選挙区の補欠選挙、衆議院の北海道2区の補欠選挙(いずれも定数1)の3つすべてで、野党統一候補が当選。野党共闘は、昨年来のコロナ禍でも力を発揮し、自公政権が拒んでいた10万円の特別定額給付金を実現する力になりました。
直近の参議院選挙(2019年)では、政権党(自民・公明)の得票をその他の政党の合計が上回りました。さらに棄権者数は全政党の得票よりも多く(図)、有権者の5割に。棄権した人が投票に行けば政治は変えられます。
投票券をなくした場合は
「投票券をなくした」「届かない」場合も大丈夫。投票所で氏名と生年月日などを伝えて、本人確認ができれば投票できます。
免許証など身分を証明できるものを持っているとさらに安心です(期日前投票も同じ)。
最高裁裁判官の審査も
衆議院選挙当日は、同じ会場で「最高裁判所裁判官国民審査」も行われます。裁判官に適任かどうか、国民が直接意思表示できる制度です。小選挙区、比例代表の投票の直後に続けて行われます。最高裁の裁判官にふさわしくないと思う人に×を書いて投票します。投票数の過半数が×だった場合に、その裁判官が罷免されます。
最高裁判所の裁判官のうち、任命されてから初めての衆議院選挙を迎えた裁判官が審査対象で、前回の審査から10年過ぎた裁判官も審査対象となります。判決ごとの各裁判官の態度を調べてみましょう。
「投票日に予定がある」人は
投票日当日、都合で投票所に行けない人も大丈夫。期日前投票があります。期日前投票は、公示日翌日~投票日前日まで可能です(行けない理由は私用でも可)。期日前の投票所も、投票券とともに送られる案内に記載されています。
選挙期間中、仕事や里帰り出産などで居住地から遠く離れている人は不在者投票もできます。住民票のある自治体の選挙管理委員会に連絡して投票用紙を取り寄せ、滞在先の選挙管理委員会が指定する不在者投票所で投票する方法です。
障害のある人のために郵送による投票制度もあります。
読者アンケート結果
4月から実施していた読者アンケートに、総数722人の回答がありました。集計結果の一部を掲載します。
回答者の年代は20代以下が142人の19・6%、30代が168人の23・3%、40代が202人の28・0%、50代が162人の22・4%、60代以上が48人の6・7%でした。職種はグラフを参照してください。
「医療・福祉、社会保障で関心のある話題」は、年代・職種による大きな偏りはありませんでした。「社会・政治で関心のある話題」は、すべての年代・職種でもっとも関心があったのは「税金の使い方」でした。30代以下では「子育て支援、少子化対策」への関心が高く、40代以上では「貧困と格差の問題」、また共通して「年金問題」が高くなっています。
これまでの選挙で「投票していない」「次の選挙で初めて投票する」という人が67人の9・3%。そのうちの55・3%が、次の選挙に「必ず行く」「可能なら行く」と回答しています。候補者を選ぶ基準(複数回答)は1番が「公約、政策、提言の内容」の72・0%、2番が「所属政党」の40・5%でした。
ご協力ありがとうございました。結果は選挙に向けた話題としても、職場や事業所などで活用してみてください。
(民医連新聞 第1743号 2021年8月16日)