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民医連新聞

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副作用モニター情報〈554〉 メトクロプラミドによるレストレスレッグス症候群

 メトクロプラミドは、吐き気や嘔吐(おうと)などの症状を抑えるときに用いられる制吐剤です。多くの診療科で使用されている薬の一つです。今回は、この薬により起こったと思われるレストレスレッグス症候群について報告します。

症例)80代女性 吐き気の症状があったためメトクロプラミド1日1錠5mgで服用開始。
 5カ月後、「夜寝るときに足がムズムズする」と訴えがあった。主治医によりレストレスレッグス症候群と診断され、1日1錠の服用を頓服へと減量する。その後、足のムズムズの回数は減り、メトクロプラミドの中止とともに症状もなくなった。

* * *

 レストレスレッグス症候群は主に下肢の不快症状を感じる病気です。就寝時など体をじっとしている状態のときに、脚の内側から不快感が起きます。その主な原因の一つが、神経細胞の異常といわれており、ドパミンが関与しています。
 メトクロプラミドは、ドパミンD2受容体拮抗薬です。吐き気を起こす受容体を遮断することで制吐作用を発揮します。ドパミンの作用が弱くなることから副作用として手指のふるえ、筋肉の硬直などの錐体(すいたい)外路症状が起きやすくなります。先ほどの症例のレストレスレッグス症候群もドパミンによる影響で起こることから、このメトクロプラミドが起因しているものと思われます。
 急性の錐体外路症状は中止後まもなく消失することが多いですが、長期服用による副作用は服用中止後も持続することがあり注意が必要です。また、小児に対しても使用されるケースが少なくありません。年齢・体重などによる用量の確認・発熱の有無などの配慮も大切です。(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

(民医連新聞 第1738号 2021年6月7日)

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